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追放された在庫管理係、辺境で倉庫ひとつから始める領地無双 ~物流チートで村が都市に、たまに王都へ“ざまぁ”配達~  作者: 彗 暦


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第4話 女騎士ルナの監査。利害の一致

 昼下がり、銀の留め具が光った。城塞領代理・ルナの紋章だ。

「監査に来た。税の匂いがする」


「ようこそ。帳簿、現物、導線ログ、ぜんぶ出す。——ピポ、客用の席」


 倉庫の隅は簡易事務所になっている。

 帳簿は日々締め、価格は札で公開、《動線》は白線地図として転写。封を開けなくても、紙に記録される最低限のログだけ抽出し、個人情報は隠す。

 ルナは一枚一枚、線引きの速さで目を通す。


「ここ、《鮮度ロック》のコストは」


「重量×時間。生き物は対象外、魔法そのものも対象外。万能じゃない」


「いい。強すぎないのは、味方にしやすい」


 彼女はため息混じりに笑って、指先で石畳の地図を叩く。

「これ、誰でも見られるの?」


「役場と共有。掲示板にも貼る予定。流れは共有財だ」


「敵にしたくはない。……組める?」


「俺は流れを止めないことが目的。領は税収の安定が目的。利害が合うなら、組める」


「まず飛翔免許。配達ドラゴンは規定外」


「規定外は大体、先に実績を作ったほうが規定になる」


「それ、嫌いじゃない」


 ふっと柔らかい笑み。年相応が顔に戻る。

「王都で橋梁修復の入札がある。辺境連合で出ない?」


「倉庫連合で? 面白い。小さな倉庫を束ねて大きな流れにする」


「買い叩きが出る。公開価格で戦える?」


「ここに立てた看板の通りだ」


 俺は布をめくる。《公開価格・公開在庫・公開動線》

「暴力なしで勝つのが、うちの流儀」


 ルナは真面目な顔に戻って頷き、形式の礼をした。

「では、共に。利害は一致している」


 ピポが小さく鳴き、机の上で丸くなる。

 俺はスープを二つよそい、片方を彼女へ。

 同じ鍋を分けるところから、共同は始まる。

ブクマ・評価で応援お願いします! 次回「公開価格で終止符。小ざまぁ回

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