14.大悪魔討伐
ジャンがプデモットから帰国し、準備を整えていよいよ大悪魔レーナルドの討伐へと向かった“白の魔女”と『蒼の懐剣』の面々は、進軍して来るレーナルドの軍と正面からぶつかった。特に狙った事ではなかったが、あちらが人間の方へ攻め込むのとタイミングがかぶってしまったのだ。
しかし、レーナルドに与している魔族や幻獣は一匹も逃したくない、という“白の魔女”の意向があったから、これは却って都合がよかったとも言える。
『蒼の懐剣』の面々は怯む事なく魔族の軍勢に正面から戦いを挑んだ。
数の上では圧倒的に劣る『蒼の懐剣』だったが、“白の魔女”とその麾下の三人が圧倒的な力を発し、先陣を切って進む『蒼の懐剣』の死角を完全になくして、戦いは一方的に進んでいた。
そうしていよいよ敵の本陣近くになって、幹部が出て来始めた。
「なんだァ? がはは、非力な女ではないか! 俺の一撃を受けられるか!」
牛頭の魔人グマテドスはハルバードを振り上げて、スザンナに襲い掛かって来た。目の前の兵士を斬り伏せたスザンナは、さっと身をよじって一撃をかわす。
ハルバードは地面を打って土片がそこいらに飛び散った。
「ええい、ちょこまかと!」
グマテドスは雄たけびを上げながら武器を振り回す。
「……遅いなあ」
スザンナは涼しい顔をしてすべてをかわしていた。スバルの相手をし続けたゆえに、スザンナの速度は大幅に上がっていた。
動体視力も高まり、体も実によく動く。グマテドスの攻撃は強力ではあったが、スザンナからすればあくびが出るくらいに遅かった。
次の攻撃をかいくぐり、グマテドスの手首に斬りつける。しかし硬い。皮を傷つける程度にとどまった。
「うーん、もう少し力を入れないと駄目、か」
スザンナは地面を滑る様にグマテドスの股下を潜り抜けると、そのまま飛び上がって頸椎めがけて剣を突き込んだ。深々と刺さる。
「おごっ! きっ、貴様あッ!」
グマテドスは腕を振り上げてスザンナを振り払おうとする。グマテドスが力を入れたせいか、刺さった剣が抜けない。スザンナは左手で逆手に持った剣に魔力を流した。そうして首筋めがけて振り抜く。
すん、とわずかな手ごたえと共に、グマテドスの首が胴体と別れた。
スザンナは体をねじって着地する。グマテドスの体はしばらく暴れていたが、やがてずんと音を立てて倒れた。
スザンナはふうと息をついた。
「緊張したあ……」
対応できる相手だったが、何かの拍子に一撃もらっていたらそれだけで危なかっただろう。倒した後になって、何だか冷や汗を掻く様な気分だった。
一方、前衛を飛び越えた鳥の魔人ヒスラインは、後方にいた魔法班に襲い掛かっていた。
「アハハハ! 死んじゃいな!」
猛禽類の如き鋭さで急降下し、両手にはめた鉤爪で襲い掛かる。魔法使いたちは即座に魔法で防壁を展開させた。しかしヒスラインの一撃で防壁が歪む。かなり強力な一撃だ。
「ハッ! 少しはやる様だね! だがいつまで耐えられるかな?」
ヒスラインの後ろから、同族の翼人たちが銘々に武器を構えて上空から迫って来た。動きが早く、魔法を放とうにも狙いが定まらない。ゆっくりと狙いを定めようにも、敵は代わる代わる攻撃を繰り出して来るから防壁を維持するのに精いっぱいで反撃に出られない。
後衛の援護がなくなった事で、前衛の勢いが削がれていた。負けてはいないが、攻め切れてもいない。
「ジャン、どうする!?」
「シシリアさんに助けてもらうか!?」
ジャンは眉をひそめて上空を睨んでいたが、小さく首を横に振って杖を構えた。
「ここで頼ったら何の為の鍛錬かわかりません。三十秒下さい。一気に打ち落とします」
「わかった! 皆、防壁全振りだ! 耐えるぞ!」
「了解! やるぞー!」
防壁に魔力が注がれ、分厚くなった。ジャンは目を閉じて詠唱する。詠唱破棄を身に付けたものの、威力の高い魔法は手順を踏んだ方が効果が高い。
ジャンの周囲で魔力が渦を巻き、髪の毛やローブの裾を揺らした。
同じころ、アンドレアは骸骨剣士のザウターと向き合っていた。ザウターは四本の腕で次々と斬撃を繰り出して、アンドレアの大盾に連撃を加えていた。
「きひひひひっ! おらおら、どうしたぁ? 守ってるだけかウスノロ!」
「……」
アンドレアはザウターを睨みながら、ひたすらに剣を受け続けた。後ろには引かず、ザウターが前に出る事も許さない。ザウターが別の方に行こうとすると、即座にそちらに回り込んで進路を断った。
「邪魔なんだよおっ! さっさとくたばれ!」
ザウターは一気にすべての剣を振り上げ、全身の力を込めて振り下ろした。アンドレアの盾に物凄い衝撃が響いた。盾を持つ手がびりびりと痺れるが、決して手放さない。
「壊れねえだとおっ!?」
まさか防ぎ切られるとは、とザウターの顔に焦りが出た。その一瞬の隙に、アンドレアは爆発的な踏み込みで盾を構えたまま前に突っ込んだ。
「ぶべらっ!」
重量と硬度のある盾がまともにぶち当たる。ザウターの腕が砕け、骨の破片が飛び散った。
「クソがっ! 勝ったと思うんじゃねえ!」
ザウターは一本残った腕で剣を振り上げる。前に出切ったアンドレアは盾を捨てて剣を引き抜いた。そうして兎の様に跳ねて、剣を横一閃に振り抜く。ザウターの首がすっ飛んだ。
「ひひひっ! 馬鹿め、仕留めたと思ったか!」
「むっ……」
しかし体は動いたまま、刃がアンドレアへと向かう。アンドレアは咄嗟に剣を引き戻す。間に合うか、間に合わないか。
その時、背後で強烈な光が迸った。魔法班の辺りから次々に光線が打ち上げられ、空中を飛び回っていた翼人族たちを次々に撃ち抜いて行く。
「ぎゃああっ!」
胸を貫かれたヒスラインが悲鳴を上げて落ちて行った。
「な、なんだ、こりゃあ!」
閃光でザウターの剣筋がぶれた。アンドレアは倒れ込む様にして紙一重で剣をかわした。そのまま即座に立ち上がり、まだかちかちと口を動かしていたザウターの頭蓋骨を叩き割る。
「……もう動かないだろうな?」
力なく地面に落ちた腕を蹴り、アンドレアは盾を拾い上げた。スザンナが駆け寄って来る。
「アンドレア! 大丈夫だった?」
「ああ、無事だ。間一髪だったがな……」
膠着しかけたかに思われた形勢が完全に傾いた。
『蒼の懐剣』は疲れなぞ感じさせない勢いでぐんぐん前に押して行く。幹部たちは倒され、雑兵の数も見る見る減っていた。
「奴はどこだ……!」
アンドレアは剣と盾を構え、城門の方を睨みつけた。
レーナルドが立っていた。青黒い肌にくすんだ金髪、整っているのに冷たさと傲慢さを感じる顔、人を見下した様な鋭い目つき。何度も見続けた手配書の人相書きと同じだ。
アンドレアはぎりっと歯を食いしばり、前へ出た。
「レーナルドッ!」
突進する。レーナルドは目を見開き、腰の剣を引き抜いたが、相手が盾だと見て身をかわす。アンドレアは即座に剣を構えてレーナルドに斬りかかった。
レーナルドは斬撃を受け止め、そのままアンドレアを押し返した。
「虫けらがッ!」
「ホダ村の仲間たちと父と母の無念! 今ここで晴らす!」
「くだらん! 死ね!」
レーナルドは剣を振り下ろす。アンドレアは盾を前に出して受け止めた。流石に大悪魔の一撃だ、ザウターのものよりも鋭く、重い。だがアンドレアは歯を食いしばったまま押し返すと、体勢の崩れたレーナルドに剣を突き込む。
しかしレーナルドは素早く身をかわした。そのままアンドレアに蹴りを放った。腰を打たれ、アンドレアの体勢が崩れる。
「やあああっ!」
そこにスザンナが飛び込んで来た。剣を振り上げかけたレーナルドに、双剣で次々と斬撃を放つ。レーナルドは顔をしかめて後ろへ飛び退る。
「アンドレア! 怪我は!?」
「大丈夫だ。動くのに支障はない」
アンドレアは盾を持ち直し、レーナルドに向き直った。
後ろでは、もうほぼ『蒼の懐剣』がレーナルドの兵たちを壊滅させる所だった。スザンナが双剣を構える。
「あと一息……! アンドレア! やっちゃおう!」
「ああ!」
二人は武器を構えてレーナルドへと突っ込む。
「鬱陶しい……!」
レーナルドは剣を構えた。刀身を怪しい影が取り巻く。レーナルドが振り抜くと、黒い斬撃が魔弾の様に飛んで来た。アンドレアはスザンナをかばう様に割り込み、飛ぶ斬撃を盾で受け止める。
「ぐうっ!?」
当たった瞬間、体に電撃が走ったかの様に痺れた。レーナルドは素早く前に出て来ると、盾ごとアンドレアを蹴倒した。
「死ね、屑が!」
そう言って剣を盾へと突き込む。レーナルドの剣は分厚い鉄の盾を貫き、アンドレアの肩に達した。
「このおッ!」
スザンナがレーナルドに斬りかかる。レーナルドは左手をスザンナに向け、魔法で衝撃波を放った。これにはたまらず、スザンナも後ろへ飛ばされた。
「おおおおッ!」
アンドレアがぐんと無理やりに立ち上がり、盾の上に乗っていたレーナルドを押し返す。そのまま押し込むと、レーナルドはたたらを踏んだ。憤怒の表情で剣を振りかぶる。
「邪魔だッ!」
「させんッ!」
アンドレアは更に盾を押し込んで、レーナルドの体勢を崩した。そうして投げる様に盾を手放し、剣を振りかぶる。肩が痛むがそんなものは気にならない。裂帛の雄たけびを上げて、振り下ろした。レーナルドの肩から袈裟に斬撃が走る。
「ぐおおっ――おおおッ!」
レーナルドはカッと目を見開いて、全身から衝撃波を発した。アンドレアも、再び駆け戻っていたスザンナも吹っ飛ばされる。
「はあ、はあ……くく、この虫けらどもめ……私の邪魔をした事を後悔するんだな!」
そう言うや、レーナルドの姿が大きくなった。服を破く様にして隆々とした筋肉が膨れ上がる。顔は怪物の様に醜くなり、口からは鋭い牙、頭からは角が生える。
「く……」
アンドレアは舌を打って、レーナルドを見上げた。三倍近い体躯の違いがある。まとう魔力の気配も濃密だ。斬りつけた傷は膨れ上がった筋肉で塞がれて、もう見えない。
「これが大悪魔か……」
「アンドレア!」
『蒼の懐剣』のメンバーたちが駆け寄って来た。
「ここに来てこれかよ……」
「すげえ魔力だ……魔法、通ると思うか、ジャン?」
「わかりません。しかしやるだけやらねば」
冒険者たちは銘々に武器を構えた。しかしレーナルドは高笑いを上げると、腕を振り上げて地面を打った。地響きと共に地を裂く様に衝撃が襲って来て、冒険者たちはたちまちバランスを崩す。
『雑魚どもが! どれだけ集まろうが無駄だ! わが軍団を潰した罪は重いぞ!』
「罪だと……? 貴様がどの口でそれを言う!」
アンドレアは剣を構えて躍りかかった。大きくとも急所は同じ筈だ、と足の腱を狙う。だが全力を込めた一撃は、レーナルドの体に跳ね返された。
『馬鹿めが! この姿になりさえすれば貴様の攻撃など効かぬわ!』
レーナルドはアンドレアを叩き潰そうと拳を振り上げた。
その時、狼の遠吠えが響いた。地獄の底から聞こえて来る様な響きで、冒険者たちは勿論、レーナルドさえ背筋に冷たいものを感じて動きを止めた。
「な、な、な」
冒険者たちは振り返る。銀色の美しい毛をたなびかせた巨大な狼が立っていた。
「フェンリル……?」
「う、嘘だろ? 敵の増援か?」
『蒼の懐剣』はざわめくが、フェンリルは冒険者たちの頭上を飛び越えて、レーナルドに襲い掛かった。鋭い牙が鎧よりも硬いレーナルドの肉体を易々と貫く。どす黒い血が飛び散り、レーナルドは悲鳴を上げた。
「て、敵じゃないのか……?」
「見ろ!」
誰かが頭上を指さした。急に明るくなったと思っていたら、燃える様に赤い翼を持つ大きな鳥が急降下して来た。槍の様なくちばしがレーナルドの肩を抉る。
「フェニックスだ!」
「で、伝説級の幻獣が二匹も……?」
呆気にとられる『蒼の懐剣』たちを前に、レーナルドは雄たけびを上げて幻獣二匹を振り払った。
『シノヅキにスバルだと……? あ、あり得ぬ! おのれおのれおのれ! こ、ここは……』
「あーら、逃げられると思ったのぉ?」
シシリアの声がした方を見て、ジャンは息を呑んだ。シシリアは宙に浮いていた。取り巻く魔力は質も量も桁違いだ。髪の毛や服の裾が嵐の中にいる様に暴れている。肌色は青白く、目の白と黒が反転していた。どう見ても人間とは思えない。
「し、シシリア、さん……?」
「あれは……まさかアークリッチ!?」
レーナルドを取り巻く様に黒い光が輝いた。そうしてそれが手足に巻き付いたかと思うと、鎖の様に拘束して動けなくする。レーナルドは額に青筋を浮かべるほどに力を込めるが、鎖はびくともしない。
『シシリアまで!? ば、馬鹿な……なぜだ! なぜ魔王軍の幹部が三人も地上にいるのだ!』
『我の使い魔だからだ』
恐ろしく響く声がした。“白の魔女”が腕組みをして立っていた。その眼光は鋭く、睨まれたレーナルドは恐怖に震えた。
“白の魔女”はそのまま右手を前に出す。そうしてぐっと握り締めると、レーナルドが悲鳴を上げた。
「ぎゃああああああ!」
ぼきぼきと音を鳴らしながら、レーナルドの手足がおかしな方向へ曲がる。体もどんどん萎み、恐ろしい姿から元のレーナルドの姿へと変わる。息も絶え絶えになって、口から垂れた唾液が地面に染みを作る。
『げほっ、がはっ……つ、使い魔、だと? しかもこの力……ま、まさか貴様! 魔王の――』
『だぁまれ、ド阿呆が。身の程を知らんからこんな目に遭うんじゃ』
とフェンリルのシノヅキがレーナルドの頭を踏みつけた。フェニックスのスバルがけらけらと笑う。
『こんな弱さで魔界を支配できると思ってたのぉ? 雑魚過ぎ~。よわよわ悪魔~』
『……スバルおぬし、その姿でそのキャラづくりはちとキモイぞ?』
『キモイってゆーな! じゃーいいもん!』
とフェニックスの羽根がぶわっと辺りに舞い散ったと思ったら、そこにはスバルが立っていた。うーんと伸びをする。『蒼の懐剣』はざわめいた。スザンナが困惑した様にスバルをまじまじと見る。
「スバルちゃんって……フェニックスだったの?」
「そうだよー。あ、あのフェンリルはシノだからね」
見れば、さっきまでフェンリルがいた所にはシノヅキが立っていて、片足でレーナルドの頭を踏みつけていた。
「やれやれ、本当の姿になる方が久しぶりじゃわい。なーんか、こっちのが落ち着く様になっちまったのう」
と欠伸をする。
「じゃ、じゃあ、シシリアさんも……?」
とジャンがシシリアを見た。シシリアはにっこり笑った。たちまち肌に血色が満ち、目も普通の目に戻る。
「そうよぉ、アークリッチのシシリアちゃんでーす。改めてよろしくねぇ」
と頬に指を当ててきゃぴっ☆とポーズを取った。何だか皆が脱力する。
そんな中、厳しい顔をしたアンドレアが、レーナルドへと歩み寄った。黙ったまま剣を振り上げる。レーナルドは必死の形相で身をよじらせた。
「ま、待て! 無抵抗の相手を殺すつもりか!?」
「……俺の故郷はお前が滅ぼした。誰一人命乞いをしなかったとでも言うのか?」
「やめろ! そ、そうだ! 手を組もう! お前たちの力と私の力が合わされば、地上を征服する事も夢ではない! 溢れんばかりの富と名声が入って来るぞ! 復讐などくだらないではないか! それよりも手を取り合って」
「それ以上喋るな。虫唾が走る」
アンドレアは冷たい視線でレーナルドを射抜いた。レーナルドはイモムシの様にのたうち回る。
「ひぃぃいいいい! た、助けてくれ! わ、私はこんな所で死ぬ男ではない! やめろ! 下等な人間如きが、この私を」
びゅん、と剣が振られた。レーナルドの声が止んだ。ごろりと恐怖に歪んだままの首が転がった。アンドレアはふうと息をついた。
「……終わった、か」
「アンドレア!」
スザンナが抱き付いた。アンドレアは顔をしかめて呻いた。
「いたたた」
「あっ、ごめん、怪我してたんだっけ……」
「ああ、気が抜けたせいで痛みが来た……だが、これで終わった」
アンドレアは後ろを向いた。“白の魔女”は同じ様に立っていた。その前に『蒼の懐剣』のメンバーたちも立ってアンドレアを見ている。アンドレアは深々と頭を下げた。
「ありがとう。おかげで故郷の村と両親の仇を討つ事が出来た」
ジャンがぽんと背中を叩く。
「お疲れ様です、アンドレア。長い戦いでしたね」
わっと冒険者たちが沸いた。
「ははっ! まさか大悪魔に勝てるなんてな!」
「いやあ、それよりもシノさんとかスバルちゃんとかシシリアさんの正体に俺は驚いたね!」
「フェンリルにフェニックスにアークリッチかあ……すげえよなあ」
「しかも魔王軍の幹部とか言ってなかったか?」
「やっぱ“白の魔女”さんやべえな。一人だけでもすげえ使い魔を三人も従えてんだからさ!」
「今日は飲むぞぉ!」
『では戻るとしよう。アンドレア、レーナルドの首を忘れるでないぞ』
“白の魔女”が言った。『蒼の懐剣』は既にこの魔女に親しみを覚えてはいたが、声を聞くとつい背筋を伸ばしてしまう。アンドレアは首を拾い上げて布に包んだ。
「帰ろう」
杖が振られ、足元に転移の魔法陣が輝いた。