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想いの詩(仮題)

こころの色

作者: 浮き雲




こころの色を見つめれば 嘘と見栄(みえ)とで()りかため


朽ちた土蔵(どぞう)漆喰(しっくい)の ように、汚れていることの


哀しくなって、このいのち いかほどもなく思われて


いっそ、(はかな)いしゃぼん玉 (はじ)けるように消えようか


早春の空、(つぶや)けば 春告鳥はるつげどりの「ほー」と鳴く




こころのうちを覗きみて


あまりの(もつ)れ、(から)まりに ()く糸口もみつからず


想いにこころ探すよう (つむ)ぐ言葉は(くず)ばかり


調(しらべ)にならず、散り(まど)


いっそ、集めて、火にくべて


冷えたこころを暖めて みようとしても、哀しみの


湿(しめ)りを帯びて、燃えもせず




こころのかたち探しても


形をなさず、ゆらゆらと 揺蕩(たゆたう)う様は陽炎(かげろう)


似て、触れさえもできぬまま


悔いの欠片をひとつずつ 溶かして、いまをみつめても


いっそ、(にご)ってゆくだけの 甲斐(かい)なきことの繰り返し


寒さが、()える若草に 追われることに似て、哀し






春告鳥は、一種類ではありませんが、ここでは「鶯」です。最近、庭に来て鳴くことが増えてきましたが、歌が下手な鶯も少なくありません。なんとなく、上手く伝えられない自分に似ているような気がして「ほー」だけで終わる下手な鶯を描いてみました。


こころの色としましたが、色なんて実際には曖昧です。汚れた漆喰くらいがちょうどよい気がしました。


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― 新着の感想 ―
[一言] 色は必ずしも万人に同じように把握されているのではないと聞きます。一つの心であっても、見る人によって違って見えるのかもしれません。 気に入った色を作ろうと、絵の具をたくさん混ぜると、どんどん暗…
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