表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.101~No.200】

お人好し 【月夜譚No.151】

作者: 夏月七葉

 駆けつけたピンチヒッターの顔を見て、頭を抱えた。そんな彼にはお構いなしに、緩い笑顔を浮かべた先輩は他のメンバーに挨拶をして回る。

 先輩は、決して悪い人間ではない。人当たりは良いし、雰囲気も柔らかく、接し易いのは事実である。

 が、付き合ってみれば判るのだが、先輩は悪気なく色々なことをやらかすのだ。水筒を手に歩けば、躓いて目の前の人物に中身をぶちまけるし、バス停で待っている人物に声をかけようと背を叩いたら力が入り過ぎて道路に押し出し、危うく殺人犯になるところだったこともある。

 しかも、それは全部後輩である自分が被害に遭ったものだ。

 本人に悪気はない。それは解っているのだが、今にも何かしでかすのではないかと、ハラハラ落ち着かないのだ。

 全員に挨拶を終えた先輩が、最後に目の前で手を差し出す。いつも通りの締まりのない表情を見上げて、後輩は今日も何も言えずにワンテンポ遅れてその手を握り返した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ