異世界もので若干気になること 〜ちょっと考えてみた〜
異世界召喚された。
過程は巻きで行こう。
あるファンタジー王国に呼び出しを食らって、魔王と戦うという宿題を授かったのだ。
例に漏れずファンタジー好きであり、展開に慣れていた俺は、ご都合主義を鵜吞みにして、一も二もなく頷いた。
なおかつ信じられないほど美しい王女さまに上目遣いで頼まれたら、対女性経験に乏しい俺でなくともこうなることは容易に想像がつく。
最近増えてきている、魔王が美少女で実は善人だった、みたいなこともなく、実は何かの陰謀で画策された罠だった、ということもない。
勇者補正的なやつで、無敵とまではいかないが、平和な日本国民であった俺でもなんとかなるほど、サクサクと旅は進行した。
で、
「ぐわーーーー
見事だ、勇者よ。
良くぞ我を打ち倒した。
もう、悔いは、無い...」
ドサッ
魔王討伐←イマココ
一緒についてきた仲間を誰ひとり欠けさせることなく。無事に物語が終わろうとしている。
これまたご都合主義で仲良くなった姫様と一緒に過ごして、俺の人生はハッピーエンドなんだろう。
その王国への帰途につこうとしたとき、ふと思った。
「なあ魔法使い、お前って光魔法使うよな」
「そうですね。1番強い属性ですから。回復にも使えますし、光線は、敵に大ダメージを与えられますから」
「ありがとう、その節は助かった」
ところで思うのだ。
「光線って、なんで道筋見えるんだ?」
「そりゃ、光線ですから」
「いやそうだけどさ」
なんとなく不思議なんだ。
だって、懐中電灯って照らされた所しか光らないじゃん。
なんか過程で光ってる分損じゃね?って思うわけよ。
いや俺もよく分かってるよ。魔法に常識が通用しないことくらい。
常識が通用しないから魔法なんだもん。
でもある程度説明はつけられるんだ。
要するに魔力っていうなんかすごいものが仕事をしてるわけでしょ。
火魔法なら、何かの物質を燃やして。
水魔法とか土魔法なら、何かの物質を作って。
風魔法は空気を動かして。
光魔法は、...多分何かと何かが何かして光を出しているんだろう。
闇は知らん。俺もそんなに頭回んないし。
「魔法って不思議だなー」
「ですね」
魔法使いと苦笑する。
ファンタジーって、不思議だ。
「ところで剣士、ちょっと剣貸して」
「おう、重いから気をつけろよ」
「分か...、重っ」
信じられないほど重い。
明らかに片手剣の体積で許される重さじゃない。
密度すごいぞこれ。
知らんけど、普通自然界にあったらなんか崩壊してなんかヤバいの放出しそう、光魔法みたいに。
あれ、そう考えると光魔法って邪法じゃ......
考えなかったことにしよう。
「この剣って不思議だなー」
「そうだな」
剣士と苦笑する。
ファンタジーって、不思議だ。
「ところで僧侶、お前ってオーラ使うよな」
「はい。勇者さまも使いますよね」
「オーラってなんだろな」
「さあ、なんでしょう?」
なんか人によって色も変わるし、雰囲気、的な?、を表してる気がする。
けど可視化するのはなんでだ?雰囲気なら雰囲気でいいじゃん。
「不思議だなー」
「そうですねー」
ファンタジーって、不思議だ。
結論。よーわからん。
でも、そういう分からないことがあるからこそ、ファンタジーはファンタジーしていて楽しいんだと思う。
分からなくて大いに結構。
それが楽しさ、面白さに繋がるんならそれでいいじゃないか。
ファンタジー万歳。
どうだったでしょうか。
作者は、ファンタジー大好きです。
皆さんも、そうだといいなー
宜しければブックマーク、高評価、
それと私の書いているもう一つの作品を呼んで頂けると嬉しいです。