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愛でなく永遠ですらない物語
ロマンチストだって、笑わないで欲しい。
だってガキの頃から決めていた。
俺に…もし俺にカノジョなんてものができたら、そのコに、真っ赤な薔薇の花束を贈ろうって。
薔薇のリアルな値段を知ってからは、一本でもいい、俺の好きになったひとに、そのひとの誕生日に真っ赤な薔薇を贈ろうと、心に決めていた。
なんていうか、一途な心の現れかな?なにか形にして、君が好きだっ!て想いを伝えたくて…伝えるために、薔薇の花を贈ろうと決めていた。
だからこれは俺の初恋の物語だ。
愛とか永遠とか、世間とか事件とか、そんなものは俺にとっては、俺たちにとっては、俺たちを取り巻いて過ぎ去って行ったつむじ風のようなものに過ぎない。
これは、俺にとって、ただのせつない初恋の物語だ。
少し…長い話になるが、聞いてくれ。