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35話 王都へ 後

 レルムは女子会部屋から脱出した後廊下に出ていたゴクドーと出会った。

 

「お、大将どうした」

「女子会に巻き込まれまして」

「おうそうだったか。こんなところで何してるかと思ったぜ」

「そういうゴクドーさんこそ何をしてるので?」

「何、ちと気分転換に部屋の外をうろついてただけだ。ああそれと今後の予定を確認してぇんだが」

「わかりました。空いてる部屋で話しましょうか」


 誰もいない部屋である女子会部屋の隣に移動した。


「盗聴対策も問題なし。さて今後の予定という事でしたが」

「ああ、この世界に来て冒険者登録、現地人の確保、まだ先だが表向きの拠点となる家が確保できる訳だ」

「ええ、かねがね順調といっても良いですね。ウォルロックさんからの依頼関連は全然ですが」

「俺らは保険だからな。こっちから手は出さなくていいだろ。それに勇者が召喚されるんだろ?俺らはそれが駄目だった時の保険だからな。」

「そうです。他の人がやってくれるならそれでいいんです。勇者をどこの国が召喚するかは聞いてませんがね」

「国ぐらいは聞いておいた方がよかったんじゃねぇのか?」

「大丈夫でしょう。国の会議があるんですからそこで情報収集をすることにします。ついでに他国の情報も探ってしまいましょう」

「ネズミの排除が目的だが俺らもネズミと同じだな。だがそうなると人手が足りねぇな」

「七人ではねぇ。仕事が終わって暇な人を探してみましょうか」

「そうだな。部署のトップが暇ならその下も暇だろうから呼べるだろ」

「奴隷も購入する予定ですが教育係も必要ですし追加で呼ぶ準備でもしておきましょう」

「で、誰が暇なんだ」

「今はですね」

 

・暗黒騎士団団長

・聖騎士団団長

・怪盗

・忍

・記者

 現在仕事を抱えてない者でリストに載っているのはこの五名だ。異世界を巡っていれば同名の人がいるわけで幹部クラスはリスト上では役職で登録している。

 異名も存在しているが呼ばれるのを好む人が少ないため役職にしている。

 現在この世界に来ている身内の役職はこうなっている。

・管理者

・死霊元帥

・組長

・執事長

・メイド長

・諜報局局長

・錬金術所所長

 

「五つの部署、いや俺らのも含めれば十二が暇か。まぁ十分だろ。あんま多すぎてもパンクするしな」

「私の部署はノーカンだと思うのですが」

「何言ってんだ。あんたが頼めば即座に仕事終わらせて急行するだろ。嫁さんたちがよ」

「私が頼んだ場合私自身の手が塞がるんですが」

「あんたの手がふさがってる間俺らが動くから問題ねぇ。というかあんたが動かなくても回るようになっているんだから楽しておけばいいんだよ」

「何もしないというのもどうかと思うんですがね。まぁいいです私の部署については。とりあえず先ほどの五名はバルドに来るよう通達を出しておきます。王都の拠点が確保出来次第バルドから出発し合流してもらいましょう」


 五人に通達を送ったと同時にキールが部屋に入ってきた。

 両手で抱えるサイズの木箱を抱えて。

「ちょっと失礼するよ。この馬車の積み荷を探ってみたところこんなものを見つけまして」

「お、うちの錬金術師様は何を見つけてきたんだ?」

「これです」

 キールは木箱を机に置いた。その中には赤い石が入っている。

「この馬車の魔力に一部違和感を感じましたので原因を探してみたところこれが積み荷の一部に紛れてました」

「ふーん。で、これはなんだ?」

「簡単に言うと衝撃を与えると爆発する石だね」

「へえ。面白そうなもの積んでるな。」

「何か別の用途に使えないかと実験してみたが駄目でしたね。低品質なものばかりだ。質より量を優先したんだと考えられるね」


 さらにキールは続けて言う。


「それからさっき姫様の部屋で話してた内容を盗み聞きさせてもらったけど襲撃が三回だったか。相手が王族だとわからないで襲撃を仕掛けるバカもいそうだがあの姫様は姫騎士と呼ばれているらしいから有名人とみても良い。国外ならともかく国内ならね」

「だったらわざわざ襲撃する理由もねぇだろうな。王族を相手するより商人なんかを相手した方が現実的だろ」

「そういえばルクシアさん目的と思われる盗賊騎士ならいましたね。ルトさんに消されましたが」

「それについてだが出発後同行している騎士、メイドの調査をしてみたところ夜中に動いている裏切り者らしき人間が一人いてね。まぁ夜分遅くに襲撃を仕掛けるため合図をだしていたんだろうがすでに全滅してるからねぇ。反応が無かったのは不審に思ったようだがあまり動いても怪しまれると判断したのか今はおとなしくしているようだ。この石も襲撃の際に使う予定だったんだろう」

「裏切り者ねぇ。内部の人間の手引きがあるなら襲撃もやりやすいだろうなぁ。そいつの存在は俺ら以外誰か気づいてるか?」

「姫様とジェシカ嬢は気づいていて泳がせている可能性がありそうだ。なのでこちらも監視だけつけて手は出さないことにしておいたよ」

「そうですか。ご苦労様でした」


 その後も雑談し時間をつぶしていた。


「確か王都まではあと四日の予定だったかな」

「ええ、この馬車だからこそ短い日数で到着できるんでしょうね」

「バルドの弾丸も止まったみてぇだし邪魔者は消えたようだな」

「ならこのままノンストップで進むことになるだろうね」


 その後キールの言った通り襲撃もなくノンストップでエステラルス王国王都に到着した。

 



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