11話 少女の呪いと事情
「ミアちゃんの呪いは衰弱の呪いで、それも成人になる前には死ぬだろうと思われるレベルの呪いだったわ。けど本人の状態が悪ければもっと早くに命を落としていたかもしれないわね」
「誰がかけたかはわかりましたか?」
「流石に能力の制限をかけてたら相手のことはわからないわね」
「【記録閲覧】使います?」
「まだ使わなくてよろしいのでは?」
「そうね、別に今相手を知っても対応はできるけど後回しでいいんじゃない?メンドクサイし」
私の提案にはノアさんがやんわり反対した。
そしてメリアさんの言ったとおり、対応はできるが多分今頃
呪いをかけてきた相手に何かしらの影響が起こっているはず。
なによりメンドクサイので今はいいでしょう
問題の先送りってことで。
「では、この件は置いといて、あの兄妹は連れていく、彼女は何か訳アリと判断して経過観察と共に庇護する、という事でよろしいですね?」
「問題ありませんが・・・あの二人は強化しないのでしょうか?」
「う~ん、やっちゃいますか?」
ちなみに彼らのスキルはこうだ
ニック
LV9
人間
<逃走LV4>、<隠密LV3>、<盗みLV5>
<格闘術LV1>、
ミア
LV4
人間
<魔法適性>、<呪い耐性LV4>、<聖女の卵>
状態:衰弱、記憶喪失
称号:ガルシス帝国第4皇女
ニック君はスラムでの生活のためにスリをしていたので
わかることはわかりますが・・・
ミアさん・・・皇女様ですか~、誰ですか彼女をスラムに呪いをかけて捨てたのは、そのせいか呪い耐性LV4ですよ。厄介事の雰囲気がしますねぇ。めんどうな。
記憶が無いのは・・・これだけ記録閲覧使ってしまおう。チョットだけね。
・メリアにより衰弱の呪い解呪
・LV4にUP
・呪い耐性LV4にUP
・毒状態になるが呪いにより打ち消される
・転移の障害により記憶喪失、名前以外を忘れる
・ガルシス帝国王城にて○○に転移魔法を使用されるが護衛騎士により阻止、魔法が中途半端な形で発動しエステラルス王国に転移
記憶喪失は転移失敗によるものでしたか。転移魔法を使用したのが誰かがわからないので空白になってしまっている。身内の誰かが名前を知っていればこの部分は埋まるのですがまだこの世界にきて少ししか経ってませんしこの世界出身の身内は居ない。つまり謎、いったん放置で。
次に第4皇女、ん~微妙な立場ですが<聖女の卵>、これが原因だと考えていいかもしれませんね。
とりあえず<成長促進>と<成長限界無視>をつけて
後は二人をここから連れていって冒険者にしたりレベルを上げたりして自衛ぐらいできるように強化してしまいましょう
あ、この世界に学校みたいなのがあればそこにいれるのもありですね。
今度誰かに聞いてましょう。
「旦那様、どうしました?」
「大丈夫?」
「いえ、大丈夫じゃないようなそうでもないような」
二人にもスキルなどを見せる。
「なるほど、そういうことでしたか」
「皇女様か~、ってことは監視かなにかついてるんじゃ」
「あ、それはすでに対処済みです殺すとばれるかもしれないので家の周りに幻影魔法をつかってごまかしています」
「安定のはやさね」
「それじゃそろそろ落ち着いた頃でしょうし一度様子を見てみましょうか」
二人がいる部屋へいきノックをした
「ニック君、今入ってもいいかい?」
「ああ、いいよ」
ミアさんも起きているようだ。
「初めまして、ミアさん、私はレルム、こっちの二人はノアとメリアといいます
「初めまして、お兄ちゃんから聞きました。呪いを治してくれてありがとうございました」
「ありがとう」
「いえいえ、後遺症もなくて何よりですところで、一つ提案があるのですが、ここから出て私たちときませんか?」
「そんなことしてあんたたちになんの得があるんだ?」
「ただの親切心、いや、お節介でしょうかこの提案を受けるも蹴るもあなたたち次第ですが何かこの家に思い入れでもあるなら別ですが」
「この家はただの空き家だから何もないけど」
「では決定ということで、はやめにここからおさらばしましょうか」
「いくっていってもどこにいくんだよ」
「とりあえず、私たちが泊まっている宿屋に向かいますのでニック君は私が背負って、ミアさんは横抱きで連れていきますのでノアさん、メリアさん、何もないと思いますが一応宿まで警戒しておいてください」
「承知しました」「了解」
ミアさんを抱えニック君も背負う。
「首に回した手は離さないでくださいね?離した瞬間地面まで一直線に落ちますから」
「おっおう」
家の外に出た後は壁を蹴り屋根の上へ、こうすることにより宿まで一直線で向かうことが可能になります。後は屋根伝いに宿までダッシュします。
ミアさんの監視についていたと思われる方の魔法もついでに解除しておきましょう。見失ったことが分かれば行動を起こすはず。何かあっても何とかなると思いますがねぇ。
とりあえず戻った後でこの後どうするかみなさんと相談しましょうかね。




