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伯爵令嬢見参!!

なんか思いついたので書いてみました。

リョナは好きだけど女の子が可哀そうなのは嫌いっていう諸兄へ。

なお、本作の執筆にあたり脳みそを使用しておりません。

 やあ、みなさんこんにちわ。ハローエブリデイ皆の衆。私はシロッコ・フォン・サビーネ伯爵令嬢。栄えあるサビーネ伯爵家のご令嬢でピッチピチの15歳だ。


実は私には前世の記憶があったりする。トラックに撥ねられたあと乗用車にドリブルされて工事現場に叩き込まれてなんかよく判らん機械に粉砕されたのだ。トラックを運転してたオッサンもシートベルトをしてなかったのか、フロントガラスから突き出て私とよい感じに混ざってしまった。合い挽き肉の完成である。オッサン50%。そしたらなんか顔が黒いモヤモヤのキモいおじさんが出てきて、私を異世界に転生させてくれるって言うんでお願いしといた。サンキューおっさん!


今ならセットでお安くしとくよって言われたのでチートも一緒に貰っといた。ありがてぇ。ありがてぇ。こうして私は伯爵家のご令嬢としてなんか中世ヨーロッパっぽいホワワン世界に転生してきたものの、なんせこちとら金持ちなので左団扇の人生である。これまでチートの出番なんて無かったのだ。


ところがどっこい!お父様の事業が失敗してしまい、我が家は左団扇から一転窮地に追い込まれてしまった。安心してお父様!お母さま!私がこのチート能力を駆使してお家を支えて見せますから!!


とか思ってたら、私は金持ちの狒々ジジイの後妻にやられることが決まってしまった。マジふっざけんなよお前マジかなぐりすてんぞ!お!?


このままではこの15歳ピッチピチボデーの美少女様がエロジジイの肉便器になってしまう。そういうわけで、私は自らの運命を打開するため、こうしてホイホイとダンジョンまでやってきたのだ。



 ダンジョン、なんかモンスターとかいっぱい出てお宝もがっぽりで儲かるらしい。ダンジョンを管理してたギルドの受付のおねーさんが言ってた。ここは邪神のダンジョンといって、初心者から熟練者まで幅広く利用しているプロ御用達のダンジョンなんだそうだ。自宅から徒歩10分でいい感じのダンジョンがあって助かった。装備は適当に剣とか皮鎧とか、適当に自宅から見繕ってかっぱらってきた。


ちなみに初心者がソロで入ったら死亡率は99%くらいですよとおねーさんに言われたが、だいじょぶっす!と答えてここまでやってきた。なんせ私にはチートがあるのだ。


私がモヤモヤのおじさんからもらったチートは、「鑑定」「超速再生」「邪神の加護」の3つである。つまり私は、「鑑定」で一方的に相手を見破り、「超速再生」でどんな怪我をしてもへっちゃらなのだ!わはは!強靭!無敵!サイキョー!!邪神の加護だけなんかよくわかんない。なんぞこれ。


まあ考えてもしょうがないので、さっそくダンジョンに突入である。剣をちゃきーん!と掲げ、振り回しながら全力ダッシュ!うおおおおおおおお!突撃ぃぃぃぃぃ!我々の旗を守れ!敵の潜水艦を発見!!



 ダンジョンに入って最初の角で、曲がった瞬間にいきなりお腹に槍がぶっささった。「ぐぶっ」って声が出て鼻と口からいっぱい血が出る。


何がおこった!って思ったら、なんか目の前に小鬼っぽいのがわらわらいた。鑑定しなくてもわかる。ゴブリンだ。どうやら、曲がり角の影で槍を構えて待ち構えていたらしい。っていうかよく見たら、槍の先っぽハミ出てるやん。なんで気が付かなかったし。私。


っていうか痛い!ものごっつ痛い!そりゃあお腹に槍がぶっ刺さってるのだ。おまけに貫通して背中側から突き出してるし周りのゴブリンもぶっすんぶっすん槍を突き刺してくるし踏んだり蹴ったりである。


お腹がやぶけた。いっぱい血が出て内臓がこぼれおちる。自分の小腸とか大腸って初めて見た。こんないっぱいよく私の美少女コンパクトボデーに収まってたもんである。


息が出来なくなった。肺が破れたようだ。続けざまに突き立てられる槍が私の身体を穴ぼこだらけにしていく。めちゃくちゃに刃を突き立てられた上に、刺さったまま振りまわそうとしたり刺さった槍にぶら下がったりするもんだから、私の身体が傷口からどんどん裂けていく。


腸が傷つき、胃が破れて内容物があふれ出す。あ、ちょっと出ちゃう。出ちゃうって。今日のお昼ご飯出ちゃう。腕が千切れ、脚が千切れ、関節が踏みにじられ、眼球は抉り出され、口から突っ込まれた槍が首の後ろから背中に抜けた。


ゴブリン達がギャッギャッギャとうるさく喚き散らしている。ボドボドと千切れ跳んだ私の身体を拾い集めて涎を垂らしてやがる。こいつら人間食うのか。ムカムカしてきた。



 うおおおおおおおおおおおおお!!伯爵令嬢をなめんじゃねええええ!ザッケンナコラー!スッゾコラー!!千切れた肉片がしゅるしゅると集まって、私の身体がグニグニくっついて再生していく。うわキモ。ゴブリン達はいきなり死体が肉片合体しながら起き上がったので大混乱だ。へーい!お嬢様なめてんじゃねえぞ!メーーン!!


うろたえるゴブリン共を、ざっくざっくと剣で刻んでいく。こちとら素人なので一発で首ちょんぱとはいかず、何回も動かなくなるまで切りつける。ナムアミダブツ!おお!ナムアミダブツ!!


体感的には100匹くらいぶっ殺して無双したつもりだったが、賢者モードになってみたら3匹しか死んでなかった。残りは逃げ散ってしまったらしい。


お宝を期待してゴブリン共の死体をごそごそ漁るが、碌なもんもってやがらねえ。ッチ!しけてやがる。結局、連中の装備してた錆び錆びの武器を失敬して帰る事にした。お肌には傷一つないが、服も皮鎧も血まみれである。血まみれッていうかもう染色された感じになってる。真っ赤。ブラッディーアーマーとして売れないだろうか。処女の生き血100%だぞフハハハ!



 ブーツの中まで血まみれで、がっぽんがっぽん音を鳴らしながらギルドのおねーさんのところまで戻ったらゾンビと間違われた。スゴイ=シツレイ!!誰がゾンビだ!こちとらスーパー再生ゾンビお嬢様15歳だぞもるすぁ!いややっぱりゾンビだったわ。


おねーさんが受付やってるカウンターに、錆び錆びの武器をがっちゃんがっちゃんと積み上げる。こんなんでも駆け出し冒険者の使い捨て武器くらいにはなるらしい。ふーん。


報酬に、子供のお駄賃程度のお金をもらった。昼食代の5分の1くらいだ。赤字じゃねーか。私が自分を買い戻す日はまだまだ遠そうである。


今日はゴブリンいっぱいぶっころころしたし、育ってんじゃね!って自分を鑑定してみたら、なんか「痛覚耐性」ってスキルが生えてた。いっぱい痛い思いをしたからだろうか。でももう御免だけどね!へっへーんだ!


結局とくに収穫も無く、ブーツをがっぽんがっぽん鳴らしながら私は家に帰ったのであった。まる。




【現在の所持スキル】

・鑑定

・超速再生

・痛覚耐性 ← NEW!

・邪神の加護


【装備】

・実家に飾ってあった鎧が持ってた剣(エンチャント私の血)

・倉庫でほこり被ってた皮鎧(エンチャント私の血)

・愛用のブーツ(エンチャント私の血)




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