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MONSTER UNITED 〜モンスター・ユナイテッド〜  作者: 土竜児
第五章 それぞれの思い
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侵略者

「何なんだ? あいつは……?」


 俺たちは突然、空から物凄い速さで落っこちてきた白き人型のロボットを見ていた。

 ロボットの体をよく見ると電子回路のような赤い線が体の所々に刻まれていてとても不気味な感じだった。


『あいつは……!』

「グレン、どうした? いつもより声が荒々しいけど……」


 いつもより荒々しい声で叫んだグレンに俺はどうしたのかを尋ねる。

 ただこれだけは聞かなくても分かる。

 グレンはあのロボットに対して敵対心を持っている。


『あいつは侵略者(サイバー)……俺たちの星を滅ぼした奴だ!』

「「「何だって!?」」」


 俺たちはグレンが言った真実に驚きを隠せずに居た。

 あのロボットがグレンたちの星を滅ぼした?

 というか滅ぼされたっていう事はグレンたちの星はもう無いのか?

 俺の頭の中で色々な疑問が浮かび始める。


「エメラ、本当なの? その、あのロボットがエメラたちの星を滅ぼしたって……?」

『本当です。あのロボットが所属する侵略者が私たちの星を侵略しようとして滅ぼしました』


 俺の頭が疑問だらけになっていると神崎は動揺しながらエメラに尋ねる。

 エメラは冷静に神崎の質問に答えるがどこか憎悪みたいな感情を隠しているような感じだった。


「星を侵略しようとして滅ぼしたってあのロボットが……」

『まさかあやつまでもがこの星に居るとは思わなかったな……』


 グレンやエメラの話を聞いても未だに信じられそうにない小西に対して、アルジャはアルジャでこの地球にあのロボットが居る事に驚いていた。

 グレンたちの事ですらすんなりと受け入れたあの小西がここまで信じようとしないのも珍しい。

 ……いや、信じられないんじゃない。

 信じたくないんだ。

 もし信じてしまったら体が恐怖心で支配されてしまうだろう。

 あのロボットがグレンたちの星を滅ぼした奴だったら尚更だ。

 とても俺たちが敵うような相手ではない。

 今ですらあのロボットから漂う不気味な感じでこの場から離れたいと気持ちでいっぱいだ。


『あいつがこの星に居るって事はまさか……他の侵略者共もこの星に居るのか!?』


 グレンの叫び声を聞きながら俺はロボットの方を見続けていた。

 一向にその場を動かないロボット。

 だが、それが更に不気味さを際立たせる。

 まるでこちらが動くのを待っているようにも見える。


『ヨウタ、すぐにブラストカノンのデータを回収して逃げるぞ!』

「えっ?」

『あいつはまだ動かない! だったら、今なら回収して逃げる事も可能だ!』


 グレンがそう言ったその時だった。


「●▽□▲◆……」

「「「『『『!?』』』」」」


 ロボットが何かを喋りだして動き出す。

 ロボットが動き出した事に俺たちは驚く。


「▲●〇@%」

「グレン、何を言っているのか分かるか?」

『いや、分からない……』


 俺がグレンにあのロボットが何を言っているのか尋ねる。

 けれど、グレンにも何を言っているのか分からなかった。

 どうやらグレンたちの星の言語ではないようだ。


「〇※◆#△」


 ロボットが何かを言いながら近くにある光の塊を見ながら近づいていく。

 光の塊にたどり着くと右手が光りだしてそこから剣が出る。

 そして、剣を上へと上げる。

 その様子を見ていた俺たちがその次の行動の頭によぎる。


「やめろ……」


 俺は神崎たちに聞こえない小声でそう言う。

 おい、何をしているんだ……?

 そいつはグレンの仲間なんだ……。


『やめろ……』


 グレンも俺にしか聞こえないぐらい小声でそう言う。

 あのウミガメと約束したんだ……。

 ドラゴンを助けるって……。

 そして、ロボットは上げていた剣を振り落とそうとした瞬間……。


「『やめろぉぉぉ——!』」


 俺とグレンが叫びながらロボットの方へと走り出す。

 けれど、ロボットの剣は無慈悲にも光の塊に向かって振り落とされた。


「————!」


 ロボットの剣で斬られるとドラゴンの叫び声が聞こえてきた。

 それとともに光の塊は一段と輝きを増した。


「くっ! 眩しい!」


 俺は光が眩しすぎて走るのをやめてしまった。

 けれど、手で光を遮りながらロボットの方を見ていた。

 ドラゴンの叫び声が段々と小さくなっていくとともに光の塊の輝きが段々と無くしていく。

 そして、その場に何もなかったように光の塊は消滅していった。


「嘘……」


 ドラゴンの光の塊が消滅していく所を見ていた神崎はそう言いながらその場に座り込む。

 小西も小西でさっきの光景を見てから体が震えていた。


『逃げろぉぉぉ——!』


 そんな絶望が漂う中、グレンが逃げるように訴えかける。

 その訴えかける声に余裕は無かった。


『今の俺たちじゃ勝てないのは分かっている! だから、こいつが居ない所に逃げろ!』

『美鈴、早く立ち上がって逃げてください! 早く!』

『勇正、貴殿も早く逃げろ! ただ逃げる事だけを考えて走れ!』


 グレンたちがそう呼びかけるが俺たちは動こうとしなかった。

 ある者はただ茫然と光の塊があった場所を見つめていて、ある者は状況が理解できずに体が震えている。

 そして、ある者は……。


「何故だ……」

『ヨウタ?』

「何故なんだ……」

『おい、ヨウ——』

「何故殺したんだぁぁぁあ——!」


 疑問を叫び、怒り狂いながらロボットへと突っ込んでいった。

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