始まりの夢
「ここから立ち去れぇぇぇ!」
赤き中型のドラゴンがそう叫びながら敵だと認識している白き人型のロボットを一体、壊していった。
だが、周りにはさっきと同じようなロボットが何百体と居た。
「……まだ……こんなに居るのか……この侵略者共……」
息を切らしながら愚痴を吐くドラゴン。
すでにドラゴンは体力の限界を迎えていた。
「だが倒れるわけにはいかない! この星と仲間たちを守るために!」
翼を広げ、傷ついた体を無理矢理動かし飛ぶドラゴン。
そして、口から炎を吐いて敵を一掃していく。
敵は見る見るうちに壊れていった。
敵を全部殲滅した後、ドラゴンは少し体を休めるために地面へと降りた。
ドラゴンが体を休めようとしたその時、空から奇妙な音が聞こえてきた。
すぐさまドラゴンは奇妙な音がした空を見る。
すると、空から敵の大型母艦が崩壊しながらこの星に突っ込もうとしていた。
あのサイズの母艦が突っ込んだらこの星は崩壊してしまう。
「まずいッ!」
すぐにドラゴンは翼を広げて無理矢理飛ぶ。
そして、敵の大型母艦の方へと飛んでいく。
どうやら敵の大型母艦を破壊するつもりのようだ。
だが、遅かった。
敵の大型母艦はすでにこの星に衝突してしまった。
衝突した地点から大爆発が起こり、爆風が吹き荒れた。
それと同時に敵の大型母艦から特殊な電磁波が発せられる。
爆風が敵味方関係なしにのみこんでいき、のみこまれた者は見る見るうちに体が粒子になっていき消えていった。
爆風で吹き飛ばれていたドラゴンも特殊な電波を浴び、体が粒子へとなっていく。
「……みんな、ごめん……」
体が粒子になっていく中でドラゴンは静かな声でそう言って消えていった。
次第に星の崩壊は進み、その日、宇宙から一つの星が消えていった
星が消える直前、無数の光が星から飛び出していった。
その無数の光は地球の空から見て流星群のように見えたのだった。




