002
「おはよー。」
「あかりぃーおっはよー!」
はい、フツーに学校です。眠い……。
「あかりぃ、眠そうだね。夜遅くまで勉強でもしてたのかっ!」
「してないよ~。眠れなかっただけ。」
これは嘘ではない。あの後、テレパシーで小林君を呼び出して部屋には戻してもらったけどね。
「プっ!…アヒャヒャヒャシャ…フフッ…アハハ」
朝から盛大な笑い声が廊下に響く。小林君だ。彼は笑い上戸で、常に笑ってるんじゃないかと思うほどだ。
ちらっと彼の様子を窺ってみる。昨日色々とあったのに、何一つ変わった様子はない。
「呑気な奴……。」
つい声に出てしまう。
「え、小林君が?」
友達にも聞かれてしまったようだ。ここは笑ってる誤魔化す。
私も平静を装って過ごしていた。クラスが違っていて良かった。あまり気にしなくてすむ。……笑い声は度々聞こえたけどね。
~昼休み~
「中庭でお昼食べよ♪」
私はいつも友達と中庭でお昼を食べていた。今日も当たり前のように中庭へ向かう。
「……ゲッ。」
教室を出て一本道の廊下を歩く。その廊下の向かいから、小林君が歩いて来るのが見えた。このままではすれ違ってしまう。
「あかりさ、最近小林君に挨拶されてない?もしかして……。」
「ないからっ!」
友達の言いたいことが分かったので遮る。命を狙っているのに、好意があるはずがない。
ただ、挨拶されているのは事実だった。これも私に近づくためだったのかな?なんて考えてしまう。
「こんにちは。」
「えっ?あ、うん。」
しまったー!考え事をしてて、近づいてくるの忘れてた……。友達はクスクス笑っている。
「……なに?」
「なんでもな~いよ♪」
今日のお昼は、小林君の話で持ちきりだった。
今日の学校生活は、普段通りに過ごすことが出来た。彼からのテレパシーも来なかったし、何の変わったこともなかった。挨拶も、一応普段通り、だし……。