第3話
フンフンフーン♪
鼻歌を歌いながら赤トンボを操縦する、速度こそ遅いが期待の使い勝手も良い練習機だから運動性も良好だ。
「速度が遅いとはいっても練習するためだから問題はないな。」
宙返り、急旋回、錐揉み状態からの建て直し等一通りの訓練を行う。次は機銃だ。
「安全装置を外して射撃準備を整えて、目標は・・・」
周囲を見て目標を探す、雲、雲、雲。うん何もない、地上掃射をしようとしたとき視界の隅の方で動くものがいる、あれは風船?
ボヨーン、ボヨーン
「チュー」
尻尾を回転させて前進している物体から鳴き声が聞こえる。
「風船ネズミとでも名付けておこう、後ろから近づいて・・・」
ゆっくりと忍び寄る、焦れるほど遅いが確実に近づく。あと少しで機銃の命中距離に入るというときに気付かれた。
「ヂュー」
逃げようと尻尾を速く動かしている、だが赤トンボと同じ様な速度では逃げられない。いや赤トンボの方が少し優速だろう。ゆっくりゆっくりと近づき50メートルの距離で機銃を発射する。
タタタッタタタッ
小気味の良い音がして銃弾がネズミに突き刺さる。2発、3発と当たった所でネズミが力を失ったように落ちていく。
「破裂する訳じゃないんだな・・・。」
生き物を殺めた経験は無かったが、それでも罪悪感という物は沸かなかった。それが動物からなのかどうかは不明だが・・・考えても仕方がないか。
「そろそろ基地だな。」
燃料計を見ると底を尽きかけている、燃料があまり載せられないから仕方は無いのだろうが。
『お帰りなさいませ、滑走路は空いております。着陸をどうぞ。』
「ありがとう。」
滑走路に進入し停止する、下りようとしたときに頭にメニューが浮かぶ。
飛行時間
2時間
補給完了まで10分
装備ガチャガチャに新しい機体が追加されるまであと98時間必要です。
燃料・弾薬補給
魔力が必要です。
戦果
風船ネズミ×5 25ポイント獲得しました。
現在のポイントは10025ポイントです。
初飛行を終了しましたので以下を解放します。
階級制度が解放されました。現在の階級は二等兵です、累計ポイントが貯まりましたら階級が上がります。
アイテム・ボックスに機体が収納出来るようになりました、ただし1機しか収納出来ません。
携行武器がランクアップしました、機体に搭載できない銃器も入手することができます。ただしアイテム・ボックスに収納しておかなければなりません。
「階級が低いのは仕方がないか・・・、しかし携行武器が強化出来るのは大きいな。いかんせんハンドガンでは心許が無さすぎる。」
機体に関しては赤トンボを自分の身体の様に扱わなければ新しい機体に振り回されるだけだろう。何が手に入るかは気になるが今は保留だな、燃料・弾薬が補給され次第また飛ぶとしよう。物にするには1に訓練、2に訓練だ。
『補給完了しました。』
「ありがとう。さて装備ガチャガチャでもしますか。」
ガチャッ ポン コロコロ
うん、昔懐かしいあれだね。
小銃 38式歩兵小銃を手に入れました。初回入手のため弾薬200発が送られます。
「ボルトアクションか、大きいから機体には積み込めないしアイテム・ボックスに入れておこう。いきなりでも取り出せる様にしておかねば・・・。」
するのは夜だけどね。
「ではまた上空に上がるとしようかな。」
また2時間程飛行し、風船ネズミを数匹落とした後帰還する、今度は2匹だ。あたらしく10ポイントが手にはいる。基地機能を充実させるために基地のレベルを上げる。
基地
レベル2 次のレベルまで2000ポイント
種類 前線飛行場
効果 燃料、弾薬、爆弾(150キログラム)まで補給可能(ポイントを消費する)
修理能力 20%まで修理できるがそれ以上の破損は修理出来ない(ポイントを消費する)。
居住施設 三角兵舎
防衛部隊 7.7ミリ機銃配備
格納庫 木造戦闘機用一基
工廠 無し
治療施設 軽傷までならば治療可能(ポイントを消費する)
滑走路が延長され1000メートルになりました。
「ふむ、これで離陸、着陸は問題ない広さになったな。」
次は小銃の射撃練習をする。滑走路の端に行く、反動は少なく命中させやすかった、ただ発射速度の遅さだけが不満がある。早く自動小銃が欲しい、できればバズーカ等も。まぁ無い物ねだりは止めよう。そう考えながら兵舎に入る。
「テントとは雲泥の差があるな。」
簡易とはいえベットがあるし半地下構造なので暖かい。食事は自動解体されたネズミの肉だ、どんな味か知っておくのも悪くは無い。飯ごうに入れてスープにする、味付けは塩だ。
「不味い、肉もゴムのようだ。」
味わう気にもなれず一気に流し込み眠りにつく。
ポイント 10000
追加 35
消費 基地のレベル上げ 1000
残り 9035