小話07
私は誰よりも綺麗な自信がある。
だってそういい張れるぐらい努力をしてるもの。
化粧や髪の毛ネイルにしてもどれ一つ気を抜いてやしない。
他人にだってどういう風にしたら綺麗になるか分かってる。
だからこそ勿体無いんだと思う。
涼華が。
「ねぇ、化粧ぐらいしなさいよ」
お昼休み。
目の前でゲームをしてる眼鏡っ娘に言ってみる。
まぁ無駄だとは分かっているけれど。
「んー似合わないしー、面倒くさいしー…」
本当に、面倒くさがりなんだから。
「私がしてあげようか?」
「いい!!いいよ!!そんな事!?」
ばっと顔を上げて驚いて言う。
前に一度だけ我慢できなくて薺と一緒に押さえ込んで無理やり化粧をしてやったのがそこまでトラウマになるなんて…。
「すごく可愛くなってたのに、勿体無い」
「冗談!!すっごく恥ずかしかったんだから!」
首をものすごい勢いで横に振る。
まぁ、普段から目立ったり人前に出たりするのが嫌いだから化粧した時も周りから珍しいそうに見られてたしね。
「残念ねー。本当に残念」
「…あの時…言われた、シャンプーは使ってるよ」
そう、少しばつの悪そうに言う涼華。
私はとても嬉しかった。
いつだってそう。
こっちの気持ちを汲んで、嬉しい言葉をくれる。
涼華が出来る事は最大限してくれる。
「ふふふ。私涼華が大好きよ」
「え!あ、あ、…ありがとう…」
少し赤くしてへらって笑う涼華。
あーもー、そんな顔して。
特権よね!普段涼華他の人には笑いかけるなんてしないから!
「もし、気が変わったら化粧させてね?」
「…多分、ないと思うよ」