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魔法少女おばあちゃん 〜78歳のおばあちゃん、16歳の侯爵令嬢に転生?!〜  作者: 柚木(ゆき)ゆきこ@書籍化進行中
第四章 スタンピート

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56、アンデットドラゴン、あれで倒せるかしら?

 アンデットドラゴンは辺境伯軍に向けて突進してきたので、私は防御魔法を張った。間一髪で防御魔法を起動することができたので、ドラゴンは防御魔法へとぶつかる。

 その間に辺境伯軍は城壁辺りにまで下がることができたため、ドラゴンとは距離を取っていた。その時――。


 ガキン! カキン、カキン!


 何かと何かが思い切りぶつかった音がする。よく見ると、ドラゴンの背中にはユウくんとマチルダちゃんの姿が。二人が剣やクナイで切りつけたらしい。


「マチルダ、こいつの骨……切れるか?」

「いえ、無理です」


 バッサリと切り捨てる言葉を吐くマチルダちゃんに呆れてはいるが、ユウくんも同じことを思っているのだろう。「剣では歯が立たない」と悔しそうだ。剣で駄目だというのなら、魔法だろう。それなら私がこのドラゴンは倒さなくてはならない。

 私は防御魔法に攻撃しているドラゴンを再度上から下まで見る。相手は骨なのだ。高温の炎で燃やし尽くせばいいのではなかろうか。

 

 私は自身にある魔力を確認する。……ドラゴンが来る前より今の方が魔力の回復量が大き気がする。まあ、多くても困ることはなく、むしろ喜ばしいことなので、問題ないけれど。

 ただ、アンデットドラゴンをどう倒せばいいのか、については見当もつかない。

 私が困惑していると、後ろにいたコニーくんが声を上げた。


「過去にアンデットドラゴンを倒した方の手記を読んだ事があります! アンデットドラゴンは爆発に弱いという話でした」


 爆発魔法……と言っても、こんな街に近い状態で発動したら、街に被害が及ぶだろう。現在は辺境伯様の魔法使いさんたちが、アンデットドラゴンと魔法で対峙している。火魔法を使っている魔法使いさんもいるけれど、全く効いていないようだ。

 

「でもここで爆発魔法を使ったら、被害が起こりそうよね?」

「そうですよね……あとは他にアンデットドラゴンの情報は……あ、思い出しました!」

 

 私は毛糸玉を放ちながら、コニーくんの言葉に耳を傾ける。コニーくんの知識量は本当に膨大だ。きちんと記憶しているだけではなく、それが整理されてすぐに頭から取り出せるところは本当にすごいと思う。

 今はそれどころじゃないけれど、後で感謝しなくちゃね。

 

「先代賢者様の考察なのですが、骨だけになったアンデットドラゴンを動かすために必要なものは、二つあるそうです! 一つは魔力。骨の周囲に魔力を纏わせることで、骨が崩れるのを防ぎ、動きを助けるのだそうです。そしてもうひとつは……魂の欠片と呼ばれるものです」

「魂の、欠片?」

「はい! 何らかの状態で魂の欠片が残っている場合、骨に魔力を込めるだけで、勝手に動き出します。ですが……不完全な復活となるので、破壊衝動だけを行うようになります。自ら動くようにするためには、この欠片が必要だ、と言われています」

 

 魂の欠片……そう聞いて私は目を凝らした。けれども霊感が弱い私に、魂は見ることができなさそうだ。

 爆発魔法を使用できないのなら、何とか今の情報でどうにかできないかしら?


 改めてアンデットドラゴンと対峙する。

 魂と言って思い出すのは、幽魂、冥界、鎮魂……?

 

 そしてよく相手を観察すると、挙動のおかしい時がたまにあるようだ。よく見ると、アンデットドラゴンが苦しんでいる――。


 一度そう見えてしまえば、そのようにしか感じられなくなっていた。

 

「もしかしたら……」


 一か八かでやってみるしかない。私は他の魔法使いさんたちへと声をかけた。


「少々試したいことがあります! ご協力お願いいたしますっ!」



 最初はポカンと口を開けていた魔法使いさんたちだったけれど、私の言葉で我に返ったのか皆がアンデットドラゴンへと攻撃を集中させる。

 ドラゴンの顔がそちらへと向いている間に、私は体内の魔力を感じていた。


 思い出して、思い出すのよ、私。


 目を開けると、杖が光を纏っていた。光の中でそれは私が想像した通りの形になっていく。

 そして同時に私も光に包まれていく。


「クリスさん?!」


 コニーくんの叫ぶ声が聞こえる。私は「大丈夫よ」と声をかけたけれど、聞こえたかしら?

 光は周囲を巻き込む。光の中から、目が見えないはずのアンデットドラゴンも眩しそうに目を瞑っているのが見えた。

 その後周囲に広がった光は、杖と私の身体に吸収されていく。

 

 光がなくなった場所にいた私は――手に大幣(おおぬさ)を持ち、斎服(さいふく)と呼ばれる衣装を着ていた。

 簡単に言えば、神主さんと同じ格好になったのだ。

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