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魔法少女おばあちゃん 〜78歳のおばあちゃん、16歳の侯爵令嬢に転生?!〜  作者: 柚木(ゆき)ゆきこ@書籍化進行中
第四章 スタンピート

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55、アンデットドラゴン……流石に話せないわよねぇ。

「あれは、アンデットドラゴンではないか……」


 辺境伯軍を下で率いていた辺境伯様がボソリと呟く。私の声に反応して、上へと登ってきたのだろう。「アンデット?」と首を傾げる私に、教えてくれたのはコニー君だ。


「アンデットは死んで骨になったモノが、何かをきっかけに蘇り……動き出したモノの事をいいます。先程も骨が動いていましたよね?」

「みんながスケルトンって言っていた魔物の事?」

「そうです。死んだモノが魔物として蘇った事を、僕たちはアンデット化と呼んでいます」


 なるほど、そう考えるとあれはドラゴンの骨だったモノが何かのきっかけで動き出したから、アンデットドラゴンと呼んでいるのね。でも普通、骨が動き出す……? いや、ここには魔法があるのだから動き出してもおかしくはないのかもしれないわね。


「アンデットドラゴンの厄介な点は、生前の力の一部を残している事だ。生きているドラゴンであれば、色で判断できるのだが……骨だけだと、どのドラゴンがアンデット化したか分からないだろう? だから相手がどんな技を使えるのかが見た目で判断できないと言う事になる」

「相手の手の内が見えないのは困りますね」

 

 辺境伯様とコニー君は頭を悩ませる。二人の言う通りだ。

 敵の情報を知った状態で戦いに挑めるのと、知らない状態で戦いに挑まなくてはならないのでは、雲泥の差だ。今回はいかに相手の情報が早く収集できるかの戦いでもあるのだろう。

 そう思った私は、辺境伯様に告げていた。


「でしたら、私が魔法を放ってみましょうか?」

「大丈夫なのか?」

「ええ、休んだので少し疲れは取れました」


 コニー君から先程水を貰って飲んだからかもしれない。戦闘の終わりよりは体力が回復しているような気がする。

 魔力も体感半分くらいは戻ってきたと思う。ここから数時間維持してくれ、と言われると少々大変かもしれないけれど、ひとつ魔法を放つくらいなら問題ない。

 

 許可を得た私は、水魔法を放つ事にした。火魔法だと森に移ったら火事が怖いし、風魔法だと木が根こそぎ倒れそうじゃない? 攻撃魔法で下の森にもあまり被害が出ず……と考えたら、自ずと水魔法になるかと思って。

 水魔法であれば、以前使用した虎が良さそう……そう言えば、日本でも昔の絵師が虎と龍の絵を屏風に描いていた作品があったわよね? あ、でも相手は骨だからあの屏風のような迫力にはならないかしら?


 そんな事を考えながら私は以前よりもふた回り以上大きな虎を、ドラゴンめがけて解き放った。


 ドラゴンへと向かう虎。

 全員が固唾を呑んで見守っている。最初アンデットドラゴンは私の魔法に興味がないようだったけれど、虎が近づくにつれそちらを睨みつけ始めたのだ。どうやら私の魔法を脅威だとみなしてくれたらしい。

 ドラゴンは口を開けて、何か赤いモノを放つ。そしてそれが私の魔法に当たり……虎が消えていった。


「火か……くそっ、炎竜のアンデットか……!」


 辺境伯様の言葉が珍しく乱れている。その脅威が分かっていない私に、コニー君が教えてくれた。炎竜はそれ単体で国を脅かす力を持っており、炎竜と同じレベルの魔物である風竜が一度襲ってきたときは、国ひとつが壊滅したと言われている。

 国が襲われたのは、風竜の卵を盗んできたためらしいのでその国の自業自得ではあるが、そこから竜には手を出さなくなったのだ。


「幸か不幸なのかは分からないが……アンデットは知能がないからな」

 

 炎竜レベルになると人間の言葉を理解しているらしい。そのため、きちんと話せば何事もなく帰ってくれる事もあるのだとか。ちなみに先ほどの国は、しらばっくれたために怒りを買って壊滅したらしいの。まあ、ダメよねぇ……。

 けれどもアンデットは骨だけだから、知能なんて元からない。だから衝動のままに攻撃するのだとか。

 確かに、どちらが良いか分からないわよねぇ……アンデットの方が弱いけど、できたらドラゴンとは戦いたくないものね。


「私も下に降りよう。コニー殿、クリスティナ嬢、ここは任せた」

「ええ、辺境伯様もお気をつけて」


 彼の背中を見送った後、私は骨だけのドラゴンを見据える。すると、目が合ったような気がした。

 そのまま睨み合うかと思ったが、ドラゴンはこちらへ猛スピードで突っ込んでくる。


 カーン、と頭の中で鐘がなったような気がした。

 

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