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魔法少女おばあちゃん 〜78歳のおばあちゃん、16歳の侯爵令嬢に転生?!〜  作者: 柚木(ゆき)ゆきこ@書籍化進行中
第四章 スタンピート

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52、私の独自の魔法を使うのよ!

「何とかスタンピートが発生する前に、体勢を整える事ができたか……」


 辺境伯様の言葉には、若干の安堵が篭っていた。万全の体勢で迎え撃つ事ができると感謝された。

 

 それができたのも、私の魔力感知によるものだ。

 私が起きた後、膨大な魔力の塊が既に街へと向かってきている事に気がついた。なんとなくではあるが、距離と方向が分かったので、逐一その事を辺境伯様に伝えていたのだ。私の予想よりも少し遅かったくらいだろうか。

 ユウくんとマチルダちゃんは兵士の皆さんの先頭に立っている。まるで辺境伯様の軍を率いているよう……ユウくんとの距離は遠いけれど、彼の背はここからでも大きく見えるの。


「大丈夫ですか?」


 コニーくんが首を傾げながら、眉尻を下げて私の顔を見つめている。ずっと無言の私に気を遣ってくれたのだろう。


「ありがとう、コニーくん。大丈夫よ! 万が一撃ち漏らしても、ユウくんとマチルダちゃんたちが助けてくれるもの。私は全力を出すだけよ」


 そう言って、私はIPを見る。

 さっき、IPが本でお勧めの魔法を教えてくれていたのだけれど……あまりにも魔法の規模が大きすぎて、みんなを巻き込んでしまうのではないかと思ったの。実はお勧めされた魔法、私は見た事がなくて……。

 キラキュアシリーズの初期の必殺技らしいのだけれど、そこは丁度見ていなかったのよね。


 どうしようかな、って思ってその部分を読んでいたのだけれど、ふとある箇所を見て視線を止めたの。


 この本は「こんな魔法がある」と把握するために使って欲しい、と。そしてこのまま魔法を使う必要はなく、自分なりにアレンジしても良いのだ、と書かれていたのだ。

 そこで気がついたの。


 『魔法はイメージだよ』


 ハルちゃんはそう言っていた。つまり、私がイメージしやすいように魔法を使えばいいのよね! 先程、コニーくんの使用している睡眠魔法を真似たのと、きっと似たような感じなのでしょう。

 キラキュアのマーブルスクリューは、ふたつが合わさってひとつの巨大な攻撃魔法になるようね。けど私としては、一体ずつ当たるようにしたいのよ。


 そのためには、私が馴染み深い物をイメージして……そこにひとつの案が浮かんできたの。これならいけるかもしれない! そう思うと同時に、前方にいたユウくんの声が聞こえた。

 

「来たぞ!」

 

 地響きが段々と大きくなってきた。そして見張り台の者も声を上げる。


「ワーウルフの群れです! 他にもオルトロス、サーペント、マンイーター……」

「空からも襲撃が! アルバードだけでなく、キラービー、ヒュッケバインなども……」

 

 遠くから黒い塊が迫ってくる。あれが魔物の群れなのだろう。やはり――想像以上の規模だった。待機している者たちの間に、不安と動揺が走る。実際目にして怖気付いた者もいたのだろう。恐怖に呑まれるのではないか、皆がそう思ったその時。


 辺境伯様の声が戦場に響き渡った。


「狼狽えるな! 我々には強力な助っ人――勇者パーティーの皆様が控えておられる!」


 辺境伯様の言葉に、怯えていた者たちは我に返ったのかもしれない。ユウくんやマチルダちゃんを見ている人もいれば、私やコニーくんを見ている人もいる。隣でコニーくんは詠唱を始めていた。


「そして思い出せ! 後ろには我々の愛する家族や友人がいる! 恐怖に呑まれるな! スタンピートを避け、共に勝利の喜びを分かち合おうではないか!」


 言葉が終わるのと同時に、門外にいた兵士さんたちの周囲がキラキラと輝く。勿論、ユウくんとマチルダちゃんもだ。二人はすぐにこれがコニーくんの魔法だと気がついたらしい。コニーくんに向けてユウくんはグッドサインを、マチルダちゃんは手を振っている。

 二人の行動でコニーくんの魔法に気がついた兵士さんたちは、辺境伯様の言葉とコニーくんの魔法を受けて士気が上がったようだった。


 私は辺境伯様へと視線を送る。私の視線に気がついた辺境伯様は、首を縦に振った。私が一番にスタンピートへ攻撃を仕掛ける事になっているからだ。少しでも私の魔法で総数を減らしたい、という辺境伯様の考えらしい。

 数が多いのだから、そう考えるのは自然よね。


 ふとユウくんと視線が合う。彼は満面の笑みで私に頷いていた。まるで「クリスなら大丈夫」と言われているようで――。

 私はふっと笑ってから、右手に持っていた杖を頭上に掲げた。


 さて、私の番よ。私の本気を見せてあげるわ!


「黒の編み針! 白の毛糸玉!『ハンディクラフト・スクリュー!』」

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