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魔法少女おばあちゃん 〜78歳のおばあちゃん、16歳の侯爵令嬢に転生?!〜  作者: 柚木(ゆき)ゆきこ@書籍化進行中
第四章 スタンピート

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50、ハルちゃん……?

 設置型魔道具に防衛のための守りの壁を張る。

 ユウくんが強度の確認のため、一度斬りつけてみたけれど、全くヒビが入らなかったので結構な強度のようだ。すごいのねぇ……と呟いていたら


「この設置型魔道具は 魔力量によって強度が変わるようです。ですから、クリスさんの魔力量が素晴らしかったという事だと思います」


 満面の笑みで言われ、私は目元に涙を滲ませながら感謝を告げたわ。自分の力が役に立ったと実感できたからかしら、少し心も軽くなったの。

 あの魔道具、てっきり充電池みたいなモノだと思っていたから、満杯になるまで魔力を入れ込んだのよね。まさか入れる量に対して強度が変わるとは思わなかったわ。


 ……ひとつだけ気になるのは、そんな魔道具を作る先代賢者様って何者だったのかしら? って事だけれど、今はそれどころじゃないわね。


 私たちが魔道具を設置し終えて屋敷に向かうと、辺境伯様は騎士団長と話をしていた。そして自身も自分の体の長さほどもある武器を持っている。


「さすが、『斬山(ざんさん)の辺境伯様』でございますね。ご自身も戦闘に出られるのでしょう」


 マチルダちゃんが花開くような笑みで言っている。こんな笑みは初めてじゃないかな? あれ、意外とマチルダちゃんって戦闘きょ――。


「お嬢様、いかがいたしました?」


 圧のある笑みで顔を覗かれて、私は思わず「なんでもないわ」と答えた。

 ……危ない。“戦闘狂”なんて口が裂けても言ってはいけないタイプの人だわ、きっと。

 

 そんな事を考えていると、向こうから辺境伯様がやってくる。

 そして私たちにもスタンピート制圧の協力の依頼が来たため二つ返事で頷き、見張り塔の近くで辺境伯様と戦略を練ることにした。

 

 話し合いが終わり、私たちは魔境の森と接している城壁の上で様子を見ていた。

 私の任務は、『魔物の数を減らす』『空を飛ぶ魔物の殲滅』の二点である。味方に被弾しないよう、どのような魔法を使おうか……ユウくんと話していると、久々にハルちゃんと繋がったような気がした。


「どうした?」

『やっほー! ミヤちゃん! 今見たらスタンピートが起きてたね! 大丈夫そう?』


 ユウくんにハルちゃんと繋がったと告げれば、ユウくん無言で頷いた。どうやら気を遣ってくれるているらしい。


「今のところ、準備はしているから大丈夫よ。先代賢者様の魔道具も利用させてもらっているし」


 そう話して、魔道具へと視線を送れば、ハルちゃんが『あー! 懐かしいー!』と声を上げた。……ちょっと待って、懐かしい?

 

「懐かしいってどういう事?」

『あ……えーと、うん! 先代賢者の様子も私は見ていたから、懐かしいなーと思って』


 ああ、そっか。この世界を管理していたのはハルちゃんだものね。世界の様子を見ていてもおかしくないわ。


『やっばい、バレなくて良かった……』

「? ハルちゃんどうしたの?」

『ううん、なんでもないよ! それより、大規模なスタンピートが発生してるね。規模は数千、空を飛ぶ魔物も相当いるよ……今までに無い規模のスタンピーとかもしれない……』


 ハルちゃんの言葉に私はユウくんを見る。何かを察知してくれたのか、紙を手元に出してくれた。私はその紙に、『規模は数千、飛行魔物も相当数』と記入する。

 ユウくんも目をまたたかせたが、次の紙を用意してくれた。


『そうだねぇ、到達時間はあと五時間くらいってところかな? でも私が分かるのはここまで……ごめんね』

「ううん、教えてくれてありがとう!」


 そう言った後、ハルちゃんとの接触が途切れる。私は紙に五時間、という言葉を付け加えてから、ユウくんと顔を見合わせた。





『やばいやばい。あの賢者が私だって事、バレるかと思った』

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