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黒髪のエルフ


黒髪の少女はセナに近づきしゃがんでこちらと視線を合わせるとよりかかっているスーパーカーについて聞いてきた。


「その後ろのは魔道具なのかな、これとボクのケガは関係あるの?」


セナはスーパーカーについてどう説明しようかと一瞬悩んだが、乗り物型の魔道具だということにして説明をすることにした。この少女は悪い人では無いようだし変に隠すと害があるものだと判断されてしまうかもしれないと思ったからだ。


「うん、これは凄い速さで移動できる魔道具でこれに乗って山を走ってたら目の前に兎が飛び出してきてよけようとしたらここまで落ちてきちゃって…。それでこの有様です。」

「え!?それだと随分酷いケガだったんじゃないの?よく治療までできたね。」

「落下時の衝撃は風魔法でやわらげて後は治癒魔法でどうにかなったよ。そのせいで魔力は空っぽになっちゃったけど…。」

「そうなんだ。ボクは光魔法の適正が高いんだね。」

「あ、えと… 名前はセナって言います。」


前世では確実に年下であろう少女にいつまでもボクと呼ばれ続けるのはアレなのでとりあえず名乗ることにした。


「セナくんだね。私はメアリっていうの、よろしくね。」


黒髪の少女、メアリはそう言うと、


「そうだいけない、いつまでもここにいたら危ないかもね。とりあえず先に私の家に行きましょう。ほら、おいで?」


するとメアリはセナに向けて両手を広げてきた。え?まさか抱っこするつもりですか??いやいやいや、いくら今のセナが子供なうえ疲労困憊で動けないとはいえ見た目JKの女の子に抱っこされるのは恥ずかしいを超えて噴火してしまいそうだ。


セナが戸惑っていると


「あ…やっぱり私に触られるのは嫌だよね…?ごめんね…。」


メアリはそう言って明らかに落ち込んでしまった。これはいけない。女の子の善意を無下にするのはあってはならん。自分の羞恥心はひとまず消し飛ばしてしまおう。


(ん?でもやっぱりってどういうことだ?前にも子供に抱っこを拒否られたのかな?でもこの落ち込みようは尋常だぞ?)


いろいろ疑問は残るがセナは嫌がってはいない事を伝える。


「違うんだ、嫌とかじゃなくてその…びっくりしただけだから!」

「そっか、それならよかった。じゃあ行きましょう。」


そうしてメアリは俺を抱きかかえる。セリーヌほどではないがメアリもかなりの一品を持っており、頭に触れる感触で気まずさが全開だ。などと考えているとメアリは歩き出した。


だが


「あ!ちょっと待って!」

「どうしたの?」

「えっと、この魔道具は僕にとって大事なものだからここに置き去りにしたくないなって…。」


そう、まだ我が相棒はひっくり返って間抜けな格好のままなのだ。このまま放置は出来ない。

しかしどうやって運ぼうか。俺の魔力は尽きてるしメアリに頼むのも無茶ぶりが過ぎる。


などと思っていると


「これ、まだ壊れてないんだ?じゃあ一緒に持っていこうね。」

「え?」


メアリは片手で俺を抱きかかえながらもう片方の手をスーパーカーにかざすと、黒い球体が現れスーパーカーをブラックホールのように吸い込んでいった。


「ほげ~~!?俺のスーパーカーがぁァァァァァァァァァァァァ!??」


セナが悲しみの雄たけびを上げているとメアリは慌てて言った。


「だ、大丈夫だよ?一時的に収納してるだけだから。」


収納?ということはアイテムボックス的なやつかな?なら心配はなさそうだ。


「そ、そっかぁ。よかった…。」

「驚かせてごめんね。じゃあ行きましょうか。」



そうして俺はメアリの家へと行くことになった。

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