表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ブームに乗ってみた話

作者: まこも

世は ”スキー”ブーム。

都会ではたくさんのスキーバスが出て、ツアーも組まれる。

そしてなんといってもあのコマーシャルだろう。

白銀のゲレンデが全てを覆い隠してくれる。

果たして神様はいるのだろうか。

私もそのブームに乗ってみた一人である。


就職して一年目の冬、会社の先輩にスキーに誘われた。

運動神経が壊滅的に悪い私。

スキーなんて上級スポーツができるはずがない!

と、頭の中ではわかっていた。

よくわかっているつもりだった。

「やってみるべきよ、せっかく誘われたんだし。案外上手いかもしれないよ」

「んなわけない、やめとけやめとけ、絶対に後悔する」

まさに天使と悪魔の鍔迫り合い。

私「スキーですか?やったことないんですけど、大丈夫ですかね?」

先輩「大丈夫、大丈夫。ちゃんと教えてあげるから」

私「え~そんなに言うなら、じゃあ、行きましょう!」

やってしましましたね。この時はなんとかなると思ってましたね。

まあ、なるわけないんですけど。


スキー初心者の私は、まずウエアから揃えなくてはならない。

冒頭に出てきたコマーシャルで有名なショップに足を運んでみる。

デザインも豊富で色とりどりなウエアがずらり。

初めてのスキーということで店員さんのアドバイスを受けながら選んでいく。

でも、今から考えたらダサい、絶妙なダサさである。

時代の流れとは残酷なものである。

とりあえず、必要最低限のものを買い揃えて、準備万端。

当日、行き慣れている先輩の車で、私を含めて三人でスキー場に向かった。


まずは、初心者コースの緩やかな斜面で試してみる。

よちよちと横向きに上り、ゆっくりと滑って降りる。これの繰り返し。

SさんとKさん、二人の先輩が交互に教えてくれる。

まずはSさん、豪快に簡潔に教えてくれる。でも、なかなか褒めてくれない。

かたやKさん、丁寧に細かく教えてくれる、そして、褒めまくってくれる。

私は褒められると俄然伸びる子で、Sさんに教えてもらう時よりKさんの時の方が上手に滑ることができた。

リフトで少し高い所から降りる時も、Sさんと一緒だとついつい何度もお尻を付いてしまったり、転んでしまったり、ほとんど雪だるま状態。

Kさんと一緒だと褒められまくり、やる気を発揮して、長い距離を滑ることができた。

でも、やっぱりSさんだとダメ。しまいには

「Sさんと一緒だとうまく滑れない!」

などと本人に言ってしまう始末。怖いもの知らずである。


やっぱりなんとかならなかったスキー。

その二人の先輩はどちらも男性だったけど

白銀のゲレンデが全てを覆い隠してくれるわけもなく、私の運動神経の悪さと、先輩に気も遣えないことだけが浮き彫りになってしまっただけのことであった。

もちろん神様もおらず、その二人とスキーに行ったのはこれが最初で最後となりました。

今はスキーよりスノボなのかな…ブーム



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ