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【4月7日より】ありあけの月 暁編【改稿中】  作者: 香居
二章 保元元年(一一五六)六〜七月

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※ 大規模な軋轢(二)




 そして今年の五月。

 新政権の基盤が固まるよりも早く、鳥羽法皇陛下が御病に倒れられた。

 これにより、崇徳上皇陛下のお怒りがついに爆発なさった。

 突如突きつけられたご自身の御退位。さらには正式に立太子の儀を経ていない雅仁親王殿下の御即位。

 崇徳上皇陛下にとって、これらは到底容認できるものではなかった。胸の内に猛る思いを無理やり抑えてこられた分、反動は凄まじいものであった。

 鳥羽院政という名の重石は、崇徳上皇陛下・近衛天皇陛下にとって多大なる重圧となられていたと拝察する。その重石が、後白河天皇陛下への重圧を最後に外れようとしているのだ。崇徳上皇陛下が、今まさに行動せねば、と思われたのも、長きに渡り苦しめられていらしたゆえだろう。


「目まぐるしく動く情勢の中、朝廷が崇徳方と後白河方に分裂した──これが大方の筋だ」


 父上は硬い表情で、あらましの話を締めくくられた。

 この件に関して裏で動いているのは、御上の筆頭近侍・信西殿らしい。鳥羽法皇陛下にも献身的な素振りを見せながらも、何やらもくろんでいるようだ、と父上は睨んでいらっしゃる。


「陣は同じであるが、油断ならぬ信の置けぬ奴よ」


 苦虫を噛み潰したような表情で声をひそめられた後。厳しい表情でこう仰った。


「双方が我ら武家の力を取り込んだ。いずれ大きな合戦になることは避けられぬ」


 ──と。

 それは世間に緊張が走る数日前のことだった。


お読みいただきありがとうございます。

またブックマークや評価などにも感謝いたします。

次回更新は、6月20日23:00頃を予定しております。


誤字脱字がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。

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