心を合わせて(二)
「……、に……」
義母上が、か細い声で呟かれた。
「何でございますか!? 姫様!」
「……胸のあたりの、重苦しさが……楽に……」
義母上の言葉に、皆一様に力を抜いた。
言霊を贈って間もなく顔色は良くなられたが、そこまで効いたか。
安堵したら、だるさが増した気がする。今宵は早く休もう。
「良かったな、今若丸」
「よかったー」
今若丸もホッとしたようだ。
端のほうから、今若丸の偉業を称える歓声が上がった。私の名も挙がっていたが、私のことはよい。今若丸を存分に褒め称えてやってくれ。
「……ありがとう、ございます……若様……」
「この周防からも、心より御礼申し上げます」
「私の霊力は、今若丸の言霊を後押しした程度にございます。謝意はありがたく存じますが、今若丸の功績を褒め称えてやってくださいませ」
私は返答申し上げた後、今若丸の頭を撫でた。
「そなたの『いたいのいたいのとんでいけ』が効いたのだぞ」
「むふん」
得意気な今若丸。
端のほうから、今若丸の愛らしさを称える歓声が上がった。……いや、だから私の笑みなどはどうでもよい。今若丸を存分に褒め称えてやってくれ。
己にできることがあり、それを褒められると嬉しいことに年齢は関係ない。
私が弟たちにしてあげられることは多くないが、こうした情操教育の一端でも担えれば幸いだ。
お読みいただきありがとうございます。
またブックマークや評価などにも感謝いたします。
次回更新は、6月1日23:00頃を予定しております。
誤字脱字がございましたら、ご指摘いただけますと幸いです。




