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40話 ランランララランランラン♩


 ルージュとケナ婆が先に行ってしまったので、アマリージョと二人でケナ婆の家に向かう。


 村は思っていたよりも規模が大きく、家は50~60軒ほど建っていた。

 そして、そのほとんどが、村の入り口から村長の家へと続く石畳に隣接して建ててあり、その町並みは街道沿いの宿場町・・・いやヨーロッパ風建築の宿場町といった感じだ。


 必要以上にキョロキョロとしていたのがわかったのか、アマリージョが歩きながら説明してくれた。

「この石畳の先の高い見張り台がある所が、サンノ村長の家です。先ほどのケナ婆さまは村長のお婆さまで、村長の家の隣に住んでいます。100歳をとっくに越えていて、いろいろな占いとかも出来るんですよ」


「占いか・・・こっちのはやっぱり魔法っぽい感じなの?」


「そうですね。魔法で占う人もいると聞いた事はあります。でもケナ婆さまのは助言というか、アドバイスに近いですね。ケナ婆さま自体は、ぼんやりと未来が見えていると言っていますが・・・」


「何それ・・ちょっと怖いね」


「大丈夫ですよ。そんな予言者みたいなものではありませんから」


「お告げとかで命狙われたりしないかな。よそ者だし・・・」


「付き合いは短くても、私はクロード・・がどんな人か理解しているつもりですし、村も最近は人が減ってしまっていろいろ困っていたので・・・移住すると知ったらみんなきっと喜びますよ」


「そうか、じゃあんまり心配しないでおくよ」

――不安な要素はいろいろあるんだけど、アマリージョには心配をかけたくないしな


『不安はあるかと思いますが大丈夫ですよ。私の魔素は幸い外には漏れづらいみたいですし、玄人(クロード)も魔素があるおかけで〝渡り人〟には見えないという話でしたので』


「ヒカリの言うとおりですよ。仮にお二人のことが分かったとしても、ケナ婆さまならなんとかしてくれますよ、きっと」


「まぁ、アマリが信じてるなら俺ももう気にしないようにするよ」


「はい!よかったです」

 アマリージョはそう言って満面の笑みを浮かべた。


「あ・・・あー、えーと。ところであそこの家はなんなの?なにかの店みたいだけど」

――ちょっと今の笑顔は可愛すぎるだろ。いい年して、ドキドキしちゃったよ


『――彼女たちは気持ちが真っ直ぐですので、心が汚れてきた大人には眩しく見えるのだと思います』


――あ、そ、そうだね・・・きっと


「様子が変ですけど、またヒカリさんと内緒話ですか?」


「あ、いやいや大丈夫、気にしないで」


「そうですか? まぁいいですけど・・・それでさっきのあの家ですけど、あそこは道具屋です。基本的に村で必要な物はだいたい売ってます。お店自体はここと、あそこに、2つだけです。こっちが道具関係で、あっちが食料品を取り扱っています。とは言っても両方とも商人のブルーノさんのお店なので、同じ商品は、どちらで買っても同じ値段ですけど。あ、あと狩りをした際の獲物とか魔石などの買い取りもしてくれますよ」


「村には商人もいるんだ」


「商人はブルーノさん一人だけですよ。常に街から街へと旅をしていますから、村には2~3カ月に一度くらいしか来ないですね」


「いない間、お店はどうしてるの?」


「部下の方が店番をしています。ブルーノさん本人は、時期的にもそろそろ村に来る頃だと思うのですが・・・」


「ブルーノさんみたいな商人は、移動は馬車でするの?」


「はい、馬車です。一番近くの大きな街だと領主様のいる街ですが、そこからこの村まで馬車でだいたい3日くらいかかるみたいです。途中、盗賊や魔物にも襲われる危険もあるので、実際はそれよりもう少しかかる事もあるらしいです」


「結構遠いんだね。しかも大変そうだし」


「途中に村が一つあるので、そこまで大変じゃないとブルーノさんは言ってましたけど・・・でも、やっぱり大変ですよね」


「そうだよね・・・」

――魔物より、盗賊の方がやっかいな気がするけど・・・


『ーそうですね。普通の人と見分けることは出来ませんので、注意は必要かと思います』


「あ、クロード・・・見てください。あっちが小麦畑です。綺麗でしょ?」

アマリージョが自慢げに言ってきた。


 一面に広がる金色の絨毯。

 もしここに青い服の少女がいれば、きっとあの上を歩いているはずだ。

 風が吹くたびに、波を打つ小麦畑。

 畑の奥には大きな木が一本。

 まるで映画のワンシーンのようだ。


 足を止めてしばらく見入っていると

「この畑の小麦は、もうすぐ収穫ですが領主様に税として納める予定のものなんです。だからと言う訳ではありませんが、収穫は村全体で協力してやっています。基本的には、村長が村での役割分担を決めていて、仕事をした分、村長からお金がいただけるという感じなんですけど」


「みんなで作業するの?」


「村で食べる分の農作物も基本的には、みんなで作業してます」


「そうなんだ・・・あれ、そう言えば、水不足とか言ってなかったっけ? 見たところ普通だけど」


「はい。井戸はほとんど枯れてる状態です。でも農作物と小麦は、枯らす訳にもいかないので雨が降らない時は、魔法で水を作ってなんとかやっている状態です。でも魔法はいくらでも使えるというわけでもないので、作付けの面積自体は、いつもの年の半分くらいですね」


「あれで半分なのか。すごい規模だね。でも、魔法で水がやれるなら、飲み水にも使えるんじゃないの?」


「村で水魔法が使えるのが一人しかいませんので。魔力にも限界がありますし、村では飲み水には使わない方針です」


「そうか、いざという時に使えませんじゃ意味ないもんな」


「そういう事です」


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