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プロローグ?
今よりも幼い時
嫌われないように空気を読む振る舞いを心がけていた。
みんなからは優しい人として見られるように。
それは偽善者がやっていることと同じだから心の中で自分をもっと出すべきだと分かっている。それでも怖い気持ちに勝てない不安な未来しか想像できない。
加藤 優樹、自分の名前どおり、「勇気」からの行動を避けてしまう。
そんな葛藤があった時に、僕は自分が動物に好かれやすいことに実感した。
犬、猫、どんな生き物でも、だ。
最初は鬱陶しいな、とか、こんなに懐かれても…と思ってた。
でも、徐々に、徐々にだけれど、心を許して本当の自分を出せていることに気づいた。
この経験が、直接的に抱えてる問題を解決した訳ではないけど心が軽くなってきたことは確かなのだ。
友達からも「なんか明るくなったね」とたくさん言われた。
そんな風に思われて、少しでも本当の自分をさらけ出せていると思うと嬉しかった。
些細な出来事だけど、ここから僕は感謝の意を込めて動物達に接したいと思うようになった。
動物達は僕に優しい。
僕はそんな彼らが、大好きになった。