full moon room
初めて書いた小説になります。
暖かい目で見てくれると嬉しいです。
恋人が死んだ
事故死だった。僕は彼女を天国へ送ってから、できるだけ普通の生活をしようと大学に今まで通り通ったが、無理だった。どこにいても泣き崩れてしまい、家に引きこもってしまった。
彼女の命日から1ヶ月、今日は満月だ。満月と言えば彼女は生前、
「満月好きなんだ、なんか力が湧いてくる気がするから。」
と言ってたのを思い出す。
僕は部屋のベットにもたれながら、ベランダ越しに満月をながめながら、彼女との思い出を思い出して、また涙を流す。すると、顔を俯け涙を流していると懐かしい声がした。
「いつまでいじけてるんだ、そろそろ外に出ろこのばか!」
すぐに顔を上げた。彼女だ、僕の恋人だ、僕の一番大切だったひとだ。そして、彼女は再び泣く僕を見て生前と同じ底なしに明るい笑顔を見せた。
「君は死んだはずじゃないのか?」
あまりに嬉しくて嗚咽がとまらない。
「あまりにお前がだらしないから帰ってきたんだよ!」
やっぱり彼女はめちゃくちゃだ。生きていた時からめちゃくちゃだったが、それ以上にめちゃくちゃだ。
そして、彼女は僕に家から出て大学に行けと語り出した。
2時間が過ぎた頃には、おかしな話だが、彼女のおかげで僕もかなり彼女がいなくなったことから、立ち直れた。
「分かったか!大学にちゃんと行けよ。」
「ああ、分かったよ。」
「よし、そろそろ私帰るから。」
「行かないでくれ。」
と彼女に抱きついた。しかし彼女は死んでいたので、幽霊みたいなものらしく通り抜けてしまった。
彼女はいつものあの笑顔で僕を見て、
「大丈夫、お前なら1人でも生きていける。それに私はまた、会いに行くよ。」
と言い。
満月に溶けるように消えていった。
この彼女は僕の幻想かもしれない、それでもいい、きっと本物だったとしても彼女はそう言うと思う。
そして僕は次の日の朝、大学に行くため玄関のドアを開けた。
――――――――――――――――――――――――
彼女は次の月以降満月になると僕のところに現れた。なんで満月の日にだけ来てくれるのと彼女に聞いたら、
「なんでかは、知らないけど満月の日は、力が湧くからね。」
といつもの笑顔で答えるのだ。
「会社の採用通知がいつになってもこない。」
「大丈夫君ならできる。あと君の事だから慌てて話してると思うから、落ち着いて話せば受かる。」
「会社の人と上手くいかない。」
「もっと話せ、それで無理だったら合わなかったということで諦めろ。」
「会社辞めたい。」
「もう少し頑張れ、それでも辛かったらやめてもいい。」
「会社を辞めることにした。」
「そうか、辛かったんだな。お疲れ様。転職頑張れ。」
こんな感じに彼女は僕の相談に乗ってくれた。そして彼女らしい答えをだしてくれるのだ。そんな彼女との会話が20代の僕の支えだった。
20代も終わりにかかった時。
僕は彼女ではない人を恋人に選び、その人と結婚することにした。
そして、その事を彼女に伝えることにした。もしかすると彼女は泣くかもしれないし、怒るかもしれない。でも、言わなくちゃいけないと思った。
彼女が来て、いつものように大切に時間を使った後。いつものように彼女は
「じゃあ、そろそろ行くね」
といつもの笑顔で言った。
「待ってくれ、言わなければいけないことがある。」
「なんだい。」
その笑顔を見せないでくれ、決心が揺らぐ。
「1週間後結婚するんだ。」
どんな顔をしてるのだろうと彼女の顔を見た。
泣いていた、でもとても優しく嬉しそうな顔をしていた。
「おめでとう。これで君が幸せになってくれる。」
「ごめんな、お前を幸せにできなくて。」
「いいんだ。私はもう、十分幸せだから。君と一緒にいれたから。でも、ほんのちょっと寂しい。」
そう言った彼女の顔はとても爽やかな笑顔だった。
「それじゃ、私そろそろ行くから。」
「うん。」
「元気でね。」
そう言った彼女は月に溶けるように消えた。それから僕はなぜか、彼女と僕はもう会えないことを悟り、涙を流した。
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夢を見た。遠い昔会えなくなった恋人の夢を見た。もう顔を思い出せないくらいになっていた。それでも彼女は、相変わらず笑顔だった。
目が覚めると、私は泣いていた。
「お父さん、なに泣いているんですか。悲しい夢でも見ましたか?」
「そうみたいだ、懐かしいものを見た気がする。」私は、妻にそう言った。
「あら、そうですか。私にも聞かせてくださいよ。」
トントン
ノック音が聞こえた。看護師が入ってきた。
「検査の時間です。」
私は今病院にいる。難病で入院している。別に、かなりの時間を生き、妻や子供たちに恵まれたこの人生に後悔はないし、もう数日で死ぬことは自分でも分かっていた。
検査が終わり、夜になると妻は家に帰った。
そして真っ暗な病院にはただ、満月の光が入るだけだった。満月の夜、20代の頃の支えだった人のことを思い出す。妻とは違うタイプの素晴らしい女性だった。
「よっ久しぶり、元気にしてた。」
声の方向に目を向けると、当時の恋人がいた。
「いやー、だいぶ老けたね。」
「まぁ、何十年も経っているしね。それにしても、相変わらずだね、君は。」
「まぁ、死んでるしね。」
彼女の中ではジョークらしく、さらにツボだったので彼女は声をだしては笑った。
そして、彼女は少し真面目な顔で話し始めた。
「私が来たということはどういうことか分かる。」
「もう死ぬんだろ。」
「そうだよ。」
真っ直ぐな目だった。
「そして私は、君を迎えに来た天使てわけさ。いやーヤバくない天使て。前から私が可愛くて天使みたいな見た目なのは知ってたけどさ。」
彼女はやけにノリノリだ。
「それで、君は後悔とかはある。」
「1つだけあるよ。」
「へぇー。それはなんだい天使様に懺悔しなさい。」
「君と結婚できなかったことかな。」
心の奥で思っていた事を言った。
すると、彼女は
「奥さんが聞いたら泣くぞー。」
「あいつは私にはもったいないくらいの人だよ。私には、君みたいな、ガサツでうるさいやつの方がぴったりさ。」
「サラっと馬鹿にされた、酷くない。」
「でも、もし来世があるなら君と結婚したい。」
「うん。」
彼女と話してたら、若返ったきがした。
それでも、話していると疲れてきたので、疲れのあまり目を閉じようとしたら。
「いいの?閉じたら死ぬよ。」
「大丈夫、子供たちは立派に成長した。妻も1人で生きていけるような人だ。」
「本当にいいの。」
私は頷いた。
「大丈夫だね、それではいままでお疲れ様。」それから彼女は私のもうしわしわの額にキスをした。そして特大の笑顔を見せた。そして私は目をとじ、天に召された。
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とある女性が病院の中を走る。もうあまり動けないからだで精一杯走り、夫の病室にむかう。息を切らしてついた時には子供たちが泣いて夫を見ていた。
娘が
「お母さん。お父さんの顔見て。」
夫は、生前優しい人だった。そして私や子供を愛してくれたが、どこか寂しそうだった。そんな夫の顔は今はどこか少し、寂しさが無くなっていた。
「なんだか、幸せそう。」
「だよね。お父さんなんか嬉しそう。」




