第3話 異世界での覚醒
誤字脱字等のご報告がありましたらよろしくお願いします。
第3話 異世界での覚醒
どれ程時間が経ったのだろうか、体の気怠さを感じながら俺の意識は覚醒した。
意識はハッキリしているのに、体が動かない。
目を開く事が出来ない。手が動かない。
周りに自分以外の人の気配もない。音も聞こえない。
(どうなってんだよ…まさか失敗したとか…?)
【いいえ。失敗はしていませんよ。貴方はしっかりと異世界へと渡っています。今ここにあるのは貴方の魂、いわば精神体です。それ故に貴方は何も見えないし、聞こえないし、触れない。】
(精神体?良かった〜超ビビった!ところで誰?)
【怖がらせてしまいましたね、ごめんなさい。人間の精神では無の領域で目を覚ますと恐怖で発狂するレベルのはずなのですがやはり貴方は少し異常ですね。体のが動かない事にそれだけ冷静でいられるなんて。】
(さりげなくスルーされた…俺の精神が異常?でも体が動かないことなんて成長痛の時は常にだったからなぁ…。……そういやスルーしてたけど無の領域って何だよ?名前が怖すぎるよ…。)
【あら、説明が遅れましたね。ここは無の領域という場所で精神体の状態でしか、存在する事の出来ない領域です。例え神でもそれは例外ではありません。】
(精神体ってのはどういう扱いなんだ?普通にここに“ある”けど…)
【精神体は“無”の属性なので無の領域でも存在していられるのです。貴方の心はどこにある?と質問されても答えられないでしょう?それと同じです。それは“無”の属性だから。心はどこかにあるし、どこにもない。精神もまた同じ属性なのです。】
(なるほど…分からんな。まぁそろそろここに俺が呼ばれている理由を教えてくれ。)
【貴方はかなりこの世の理の端の方にいます。端というより既に片足はみ出しています。このままだと貴方は人の理を外れ、違う生物にまで至ってしまう。これを回避する為に、貴方にあるものを授ける為ここに喚びました。】
(チートってやつ?本当にありがとうございます。)
【そうですね…まぁチートと呼んでも差し支えないようなものです。】
(どんなものなんですか!?早く教えて!!)
【そうですね。簡単にいうと“器”です。】
(器…?俺の異常性を抑え付ける為の拘束具のようなものですか…?)
【話が早くて助かりますが、その逆ですね。貴方の異常性に耐えられる高性能な体といった所です。ですが身体能力とかに変化はありません。多少内臓や免疫機能は強化されていすが。】
(身体能力は変わらんのか…まぁそこは自分で強くなればいいのか。)
【では貴方の体を向こうの世界に着いた時に同期させますが、よろしいですね?】
(構いません。)
【では私から餞別として…
痛覚軽減 Lv10を#&$%の女神から譲渡されました。
真贋の目LvXを#&$%女神から譲渡されました。
#&$%の女神の加護を付与されました。
さてまだ質問はありますか?】
(この真贋の目とかいうレアそうなスキルまで貰っていいんですか?)
【構いません。大した能力ではありませんので。それに貴方の体の異常に今まで気づけなかったお詫びです。】
(それじゃ有難く頂きますわ。)
【えぇ。それでは送りますね。よい異世界生活を】
(あぁ、ありがとう。いってきます。)
結局名前分かんなかったな…人間じゃ聞き取れないってやつだろうか…まぁいいか。加護を貰えたってことは気にはしてくれてるんだろう。
ここから俺の意識は薄れていった。
ーーーーーーー
球技の神の加護を付与されました。
オリハルコン製バットを譲渡されました。
球体神の加護を付与されました。
球体創造 LvXを譲渡されました。
演算 Lv10を譲渡されました。
スポーツ神の加護を付与されました。
日々精進を付与されました。
ーーーーーーー
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ーーーーーーー
称号『異世界へ渡りし者』『加護を得し者』を得ました。
SPで能力を発現します。
神々から“器”を贈与されました。
神々からアイテムボックス LvXを譲渡されました。
オリハルコン製バットを収納します。
能力、"器”との同期を開始します。改変による不快感にご注意下さい。
魔法言語、魔法技能、魔法適正、世界言語、インストールを開始します。頭痛にご注意下さい。
インストール開始…
「ッッ!ガァァァァッ!!」(なんだこれ!痛え!!)
「圭斗さん!?どうしたんですか!?」
(莉絵ちゃん…?あぁ、もうダメだ…痛え…今日で何回目の気絶だよ…)
痛みで俺はまた意識を手放した。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……さん!圭斗さん!大丈夫ですか!?」
(ん?あれ…?あぁ、また気絶したんだっけか?)
「んぁ?莉絵ちゃん…?あれからどれ位経った?」
「まだ2、3分しか経ってないです。」
「そっか。そりゃよかった。」
「圭斗さん急に苦しみだしてどうしたんですか?」
(莉絵ちゃん達は痛みは無かったのか?)
「色んな知識とかを頭に詰め込まれた感じで痛みが酷かったんだ。莉絵ちゃんはそういうの無かった?」
「少し頭痛がした位で気絶する程ではありませんでした。」
(新しい体の同期が原因か?女神様から痛み軽減なんてスキル貰ったし、これを見越してくれたのかね?まぁそれが一番しっくりくるよな…)
「なるh…
「おい!そいつが起きたのならさっさと謁見に行くぞ!」
(なるほど…第一印象は最悪と。)
お読み頂きありがとうございます。本当に起きただけでしたね(^_^;)予定ではもう少し先にいこうとしたんですが…女神との話を入れておきたくて…