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(仮題)冒険者になりたいんですが?(威圧)  作者: からあげちゃん
第1章 異世界へ
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第11話 翡翠竜

今回は主人公の思考に()を入れるのやめてみました。誤字脱字等のご報告よろしくお願いします。

第11話 翡翠竜


突然現れた(ドラゴン)は俺に尋ねてきた。


異世界人(・・・・)という言葉を使って。


まず竜が喋った事に驚くのかもしれないが、異世界モノのラノベならよくある展開だし。


この事からこの竜はかなり高レベルの鑑定スキルを持っている事が推測出来た。


竜の体長は約4m程。尻尾は大体5mくらいでかなり長め。


その威圧感溢れる竜を見てライムとジジはガタガタ震えている。



圧倒的に強者だもんな…



「…どこって自分の寝床に帰るんですよ。それよりあなたは俺に何か用ですか?」


『ほぅ…大した胆力だ。喋る竜を見て驚かぬか。』


「あなたの言う通り異世界から来たばかりなのでこの世界の事については疎くてね。」


『来たばかり?いつ頃渡ってきた?』


「今日の昼です。」


『なるほど。確かに疎いのも仕方あるまい。…だがな、我の食事の邪魔をしてもいいとは限らんだろう?』


「食事の邪魔?何の話ですか?」


『…ぬ?貴様我に向かって“これ”を投げたであろう?』


竜から投げ渡されたのは、全力投球して飛んで行ったボールだった。


「あ、ホントだ…。……でも待ってくれ!これを投げたのは確かに俺だがわざとあんたに向かって投げたわけじゃない!」


『ではなぜ投げたのか理由を話せ。』






そこからは竜も話を静かに聞いてくれていた。


それで俺は異世界から召喚されたこと、自分の能力を試してみる為に森へ入った事、ライムの上位進化などの事なども掻い摘んで話した。


『なるほど…お前の気持ちも分からんでもない。我がまだ幼かった頃はブレスの試し打ちもしたりしていたしな。…だが我の体に傷をつけたのだ。それなりの対価を求める。』


「対価…今俺が対価として渡せる物はこんなものしかない。」


それは素材は良いものの武器としての扱いに難があり、微妙な評価だったオリハルコン製のバットだった。


当然バットを見た事のない竜は疑問に思うわけで。


『?何だそれは?』


「これはバットというもので、この球を打つための道具なんだ。球体創造!」


ポイッ…カキーン!


「こんな感じで。」


『ふむ?試しに我も打ってみてよいか?』


少し食いついたか…?


「もちろん構わない。」


バットを渡し、簡単に持ち方、振り方、重心の移動などを教えてあげる。


体長4m(+尻尾)の巨人みたいなのが80と少しのバットを振り回している。


正直かなり怖い。スイングが素振り1回ごとに速くなってくし。


長い尻尾を上手く使っていて、体重移動がめちゃくちゃ上手い。


飛んだりする種族は体重移動が上手いんだろうな…


なんて事を考えている内に素振りはもういいみたいで、


『なぁ、さっきの球はまだあるのか?』と聞いてきた。


「ん?あぁ、あれは能力で作り出せるんだ。」


『おぉ。ならば早速作り出してくれ。』


「あぁいいぞ。球体創造!どうせだから俺がトスしてやろう。」


『トス?』


「この球を相手が打ちやすい位置に投げてやる事だよ。」


『そういう意味なのか。よし頼んだ。』


「ほーい。行くぞー、ほれっ!」


ポイッ…バギャイィィン!!


……ボールは視認出来ない速度で飛んで行った。


これは当たったら死ぬわ…


なんて危険性を感じ次はゴムボールを出そうか、などと考えながら竜の反応を見ようと視線を向けると…


晴れ晴れとした表情で空を見上げるおっさん(竜)がいた。


『あぁ…気持ちいいのぉ…なんと清々しい感触じゃ…こう…自分で打った球が夜空に吸い込まれていくこの感じ…たまらんのぉ…』


まぁ分からなくもないが…


「なぁ、どうする?かなり上手く打ててたし、もう一球打ってみるか?」


グリンっと音がしそうなくらいの速さで首が回り、


『おぉ!やる!まだ打たせろ!』


対価を払わないでも良い感じになるまでヨイショしてやろうと思いつつもめんどくささを感じていた。






結局50球程に打ちまくった後に(ゴムボール作戦は一球ゴムボールを混ぜたらバレそうになったのですぐに辞めた)


『もうよい。かなりスッキリ出来た。』


と、竜の方から終わらせてくれたのでこれは対価なしで無罪か…!?と思っていた時が俺にもありました。


『では対価は定期的にバッティングの相手をする事だ。』


まさかしっかり持っていかれる事になるとは…


『安心しろ。それほど頻度は高くないわ。精々年に1回あるかないかくらいだ。まぁそのバットにマーキングを付けさせては貰うがな。』


「バットを目印に飛んでくるって事か?」


『そういう事だ。』


…うーん……


『なんだ?不服なのか?』


「いや、それくらいなら構わないんだが…」


『なら、どうした?理由を話してみろ。』






正直に話した。ハッキリ言ってバットが武器として使い辛いこと、あっても意味ないから持っていってくれて構わない事。


『神々からの贈り物だったのではないのか?』


「そうだけど…実際使えないしさ…」


『まぁ…確かにアイテムボックスの肥やしになるのは勿体な…』


「ん?何か良い案でも思いついたか?」


今気付いたらタメ口になってるけどいいか…


『お主、我と取り引きしてみないか?』


…なるほど!物々交換だな!?

読んで下さりありがとうございます。娯楽の少ない世界ですからね、竜がハマっちゃうのも仕方ないね。皆さんもバッティングセンター行ったりしますか?




ネロ(赤王)が呼符で出たよ。


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