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雪きつね  作者: 長月李穏
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報せ

それでも時は立ち止まる事なく先へと流れ、四季もまた巡っていきます


少年は成長し、何時しかきつねの少女の事は遠い思い出の様になっておりました

彼も今度の冬には働き手として里を離れなければならない歳となっていたのです

しかし里から遠く離れる出稼ぎを望まず、出稼ぎに行く町よりは近くではあっても別の山にある炭焼き小屋へ行く事となりました


少年は毎朝の日課となっている社へと向かい粟や稗を炊いた団子を備えると、炭焼き小屋へ働きに行く事を報告しました


此方(こなた)もそなたが怪我(けが)無き事を祈ろうぞ』


微かではありましたが何処からともなく懐かしい声が聞こえた気がした少年は、笑みを浮かべお礼を言うと里へと戻って行きました


彼の立ち去る後ろ姿を見詰める小さな影があった事にも気付かずに……


懐かしい声を聞いた翌朝、少年は他の働き手達と共に炭焼き小屋へ向かう為に里を出て行きました



それから日は過ぎて少年も炭焼き小屋での作業に慣れた頃……

良い木炭を作る為、彼は他の大人たちと共に窯の温度を高温に上げる作業をしていた日の事でした


里に残っていた筈の知り合いたちのうち足腰の丈夫な者が、炭焼き小屋へやって来ました


炭焼き小屋にいた人たちは訝しげにしながらその人物を迎えましたが、彼の持って来た報せに場は騒然とする事になりました


その報せとは

『里で雪崩が起こった』

というモノだったのです!


コレを聞いた炭焼き小屋の人々は、小屋にいる半数程を避難人たちのいる場所へと向かわせる事にしました

まだ寒い季節であるが(ゆえ)に避難した皆に暖をとらせる為の木炭を届けがてら、親族や知人等の安否を確認しに行く事になったのです


少年も里に残っていた人たちが心配になり、避難した場所へと向かう一行(いっこう)に加えてもらう事にしました

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