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雪きつね  作者: 長月李穏
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里の社

『明治』だなんだと言われていても、口差がない(たみ)陰口たたく!

年号逆さに半紙に書けば、『治まる(めぇ)』とニヤリと笑う

『文明開化』がなんぼのモノじゃと口にする



そんな、昔からあった様々な伝統や文化が沢山壊され消えて行った時代のお話でございます

むかしむかし、まだ文明開化の波とやらが全国を覆う前の事

まだまだ古い伝承や伝統を守っていた頃のお話です


この沢山の木々の生い茂る緑豊かな山の中には、小さな隠れ里の様な集落があったそうです


この里の住民たちは春から秋にかけては山の木々の世話や獣を捕らえて過ごし、冬になると栄えた町に出稼ぎに出たり里から少し離れた場所に建てた炭焼小屋で木炭を作ったりして暮らしをたてていたそうです


また里の外れの一番高い所にある雪融け水と湧水が溜まる泉があり、その傍らには小さな鏡の御神体が奉られた社が建っていました

『狩猟が上手くいきますように』

『炭が綺麗に出来ていますように』

『今日も皆が怪我も病もなく過ごせますように』

などと毎日水を汲みに来ては社に祈りを捧げ御供えをしていたといいます


里の子供たちもまた、社の傍で弟妹の子守りをしながら鬼ごっこや隠れんぼ(など)をして遊んでいたそうです



そんな平穏な里にも寒い冬が近付いてきました


里の働き手たちは町へと出稼ぎに出発し、里には僅かな留守を守る者たちと年老いた老人、そして幼すぎて働き手にはなれないであろうと判断された子供たちだけが残されておりました

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