トレーディングでも勝ち組(間話)
女子校に行くことになった理由です
自慢じゃないが、俺は勝負運が強い。
中学入学の時、親父から初めて経済の授業を受けた。
毎週、親父の前で、有望株の分析のプレゼンを行い、
そして、親父が俺の分析通りの株を売買する。
その利益によって、俺の小遣いは上下する。
最終的な利益は、高校を卒業するころには二千万を超えた。
俺は、その金で米国留学中の学費や生活費を出したのだ。
それが、前世での、佐久間律人だ。
今世での俺、佐久間律花は、そんなビジネスパーソンを目指す環境とは無縁でいた。
3歳の頃、株式欄を見て驚いた。
30年後の優良銘柄が、ありえない値段であったのだ。
未来を知っている俺には、「絶対に買いだ」と断言できる。
親父に頼んでみる。
「ぱぱぁ、これ買って」
「なんだい?、りっちゃん」
「○×製薬」
はぁ?というような顔をされた。
それから9年後。12歳の少女が、両親の説得を行った。
これからは、欧州のように女性でも働く時代であること、
働くにあたって、社会勉強をしておく必要があること、
それには、お金の流れ、すなわち株を知るのが一番であること
前世では、時折、企業に招待され講演を行うこともあったので、
そんな話題はお手の物だ。
外見は小学生女子だが、中身は通算年齢50歳、両親よりも精神年齢は上さ。
父親は、あっさり受け入れてくれた。
元々、男だったらやらせるつもりだったんだからな。
「女性でも働く時代が来る」というのを飲みこませればよかった。
母親は、自分のような専業主婦になってほしかったようだが、
結局、ある一つの条件で折れてくれた。
その条件が、母の出身校でもあり、お嬢様校としても有名な、
「三つ葉女子」への入学だ。
ふふふ、中学の時に買った銘柄は覚えている。
外した銘柄もわかっている。
高校卒業するまでに、1億貯めて、勝ち組だ!
待ってろよ、柔か銀行、小売一番、その他、これから出てくる優良銘柄ども。




