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自慢じゃないが、勝ち組です!  作者: めへめへさん
四堂高校編(共学校)
39/39

鴨川旅行でも勝ち組 そのに

スイカを収穫していたら、警察に捕まった。

「これって、履歴書の賞罰欄に書かないといけない?」

「書かなくてもいいと思うヨ~」


近衛まどか先輩が鷹司やよい先輩と一緒に、警察からペンションに帰ってきた。

「近衛先輩、釈放おめでとうございます。おつとめご苦労様でした」

「無罪だってばさ」


既に夏野菜カレーはスタンバイしていたので、昼飯にしながら事情聴取。

なすとピーマンの素揚げと、オクラ、トマト。彩鮮やかだ。

「スイカを取りにいったら、帽子忘れててさ。

まぁ、手短なもので代用しようと思って、スイカで帽子がわりにしたさ~」

帽子を取りに戻った方が早くないか?

「しかし、スイカを被っていただけで不審者扱いするなんて、司法に異見を申し立てる!」

「近衛先輩、普通はスイカを被ってたら、職務質問受けますよ」坂田が突っ込む。

「なぜだ?何を被ろうと、私の勝手だろ?」

「それを変態仮面にも言えますか?」

沈黙が部屋に流れる。坂田、何を言い出すんだ。

「ごめん、私が間違っていた やよいにも迷惑かけた」

近衛先輩が、異常なくらい落ち込んでいた。


「ところで、どうして2人は急に参加したんですか?」

今野が尋ねる。

俺もそれは疑問だった。「前世」では2人は参加していない。

「今世」が変わり始めているのな。


「ふふふ、夏が終わった後、何がある?」

まどか先輩が問い返す。

「秋です」田中の回答はスルーすべき。

「なるほど。文化祭のミスコンですか」

「坂田くんだっけ。君、鋭くていいねぇ」

「それほどでも」

坂田が、いつものように眼鏡を直す。

まどか先輩もそれを真似する。あんた眼鏡かけてないだろ。

「え~と、よくわかんないんだけど、何でミスコンが関係あるの?」

「ミスコンは、ファッションコンテストの一面もあるのさ。

だから、うちのモデルちゃんと打ち合わせに来た」

「つきあわされたんだヨ~」

やよい先輩、ご苦労様です。

そして、俺も付き合わされるのか。

「今年こそ、部長をぎゃふんと言わせてやる」


食事をしながら、今後の事を話し合う。

全員で10人。現在時刻は13時前。

これだけの人手があれば、畑の見回りは、小1時間もあれば終わる。

畑に行ってから海で遊ぶか、海で遊んでから畑に行くか。

議論の結果、まずは畑に行くことになった。


部屋で動きやすい服(ジャージ)に着替えて集合。

「なぁ、坂田くん」

「なんですか?近衛先輩」

「あんたの班でさぁ、こう、夏のめくるめく愛と情欲の一夜とか無いの?」

「ふ、無いですね」

即決か。まぁ、坂田のストライクゾーンは顔より、胸。それもHカップ以上。

超高め狙いだから、そんな女子高生そうそういねぇよ。


夏の畑は、野菜の葉っぱが青々と茂る。

いったん、スプリンクラーを止めてから畑に入る。

「今日の夕食は、夏野菜の冷製パスタにでもするかネ~。

なすと、トマトときゅうりと、もうなんでもいいから収穫して」

鷹司先輩の指示で、予め決めておいた畑に散らばる。

目的の一環として、熟れた野菜の収穫がある。

放置すると、腐って虫が湧いたり鳥が餌場にしてしまったりと、ろくなことが無い。

それならいっそ、収穫して食べたり、余ったら隣近所におすそ分けしたほうがいい。

「すいか、すいか」すいかはパスタに入れないでほしい。


小一時間ほど畑の手入れを行うと、大量に夏野菜が取れた。

「う~ん、まぁ男子もいるし、食べきれるでショ」


「よ~し!泳ぎに行くか」「行くか」

一旦、部屋に戻って準備をする。

海岸までは、歩いて10分ほどの距離。

男子は、水着とTシャツで行くらしい。

まぁ、俺も男ならそうする。

だけど、今は女子高生なので、そんな水着ショーをやる気はさらさらない。

「恵、どうする?」

「脱衣所が混みそうだから、水着の上にワンピース来ていく」

俺もそうするかなぁ。


「着替えたぞ~」

アリサといちごが迎えに来た。

予想通り、二人とも水着の上にパーカーを羽織っただけ。

「アリサ、ここから、その恰好で歩くの?」

「うん。そうだけど?」

勇者がいるな。

結局、俺と恵はリゾートワンピを水着の上に来ていくことにした。

さすがに、水着で道路を10分も歩くのは気恥ずかしい。


「お待たせ~」

男子のいでたちは、まぁ、みんな似たようなもの。

選ぶ必要が無いから楽というか、選ぶ楽しみが無いというか。

「お~し、行こうぜ」


普通の道路を水着で歩くと、さすがに人目を引く。

でも、アリサはスタイルというか、競泳選手だけあって筋肉があるから、

それはそれでアリな気がする。

いちごは、あんまり目立っていないからありか。

「佐久間、水着どんなの?」

「ん~、見てのお楽しみってことで」

「楽しみだな」

何故、佐野が楽しみなのかわからんが、褒められておこう。

「そういえば、先輩たちは?」

「なんか、買い出しに行くっていってたぞ」

「手伝った方がよかったかな?」

「いや、手芸部のほうみたいだった」

布地でも買いに行ったか。それなら気にしなくてもいいや。


汗が滲んできた頃、海水浴場が見えてきた。

青い海、白い空、人口密度はそこそこ。

男の時は、人口密度が低い=可愛い女の子が少ない なので少し悲しかったが、

女の身だと、変に注目されないから、少なめの方がありがたいな。


手荷物を、ぼったくり価格のコインロッカーに入れて、

我々8人は海へと向かった。




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