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産まれ変わっても勝ち組

自慢じゃないが、俺は頭が良い。


前世では、進学校でトップクラスだった。

全国模試でも、2桁に入っていた。

そんな俺であるから、産まれ変わったあとも

勉強ではクラスで誰にも負けない。


まぁ、小学校2年生では、誰でもそうか。



俺はどういうわけか、男の佐久間律人(さくま りっと)ではなく、

女の佐久間律花さくま りっかとして産まれたようだ。


ビッグアップル(ニューヨーク)には、女性のビジネスパーソンも多い、

性別など些細な事 と思っていたが、まるで違っていた。


前世の俺は、「男は強く賢く」という親父の教育方針で育てられた。

小学生の頃の夏休みは、塾では無く、貿易会社をやっている親父の取引相手

カウボーイや農場経営者、イギリスの貴族の屋敷などでホームステイしていた。

その経験が、海外でもぶれない芯になっていたと思う。

親父の子供への理想は、「世界で活躍するビジネスマン」。


だが、今世の教育方針は、母親主導の「女の子は、可愛くやさしく」だ。

母親には前世で借りがある。

母の理想は「かわいいお嫁さん」だ。


俺は、前世でもイケメンの父親と美人な母親の血を十分に受け継いでいたので

かなりもてていたが、今世もそれは受け継いでいるらしい。

服は花柄フリルの、女の子らしい服装、髪も綺麗に伸ばしている。

母に言われるまま、お人形さんのように磨かれている毎日であった。



話を戻そう。

俺は、今、小学2年生だ。公立小学校に通っている。

前世と同じ学校、同じクラスにいる。クラスメートも同じ だと思う。

どうも、中高の印象が強すぎて、小学校があまり覚えていないのだ。


クラスの成績はもちろんトップ。中身は大人なのだ。

二桁の足し算や、時計の読み方では、間違える方が難しい。

だが、私立中学の入試問題ともなると、話が違う。

過去問を見ると、1,2個は解けない問題があったので、きちんと勉強はしておこう。



そんなある日、クラスである事件が発生した。


朝、俺がクラスに入ると、みんなの雰囲気がおかしい。

クラスメートの女の子がおずおずと近寄り、話しかけてくる。

「りっちゃん、あれ・・」


彼女が指さす先には、理科の授業で植えた、チューリップの鉢植えが並んでいる。

俺の鉢は、赤いりんごのマークがついている。

iphoneが早く発売されますように。頑張れジョブズと祈って書いたマークだ。


そこには、花を咲かせたチューリップのまわりの土に、たくさんの鉛筆が刺さっていた。


思いだした。小学校の頃、こんなイベントがあった。

俺が登校した時には、既に先生が介入しており、実物は見ることができなかった。

そういう事があったという話だけを後で聞いた。要は、いじめ だ。


だが、実物を見ると、その芸術的バカさ加減がツボに入ってしまった。

チューリップの、葉っぱ、花、葉っぱという、波平的調和。

それに、周りの鉛筆がアクセントをつけている。

これはまちがいなく「増毛」。

しかも、その意図がばれているにも関わらず、さりげなさを装う。


とっさにうつむき、口の中を噛んで笑いをこらえる。

前世でも笑いの沸点が低かった俺に、こんなものを見せるとは。


そんなとき、誰が呼んだのか、担任の先生がやってきた。

「どうした、何があったんだ」

担任が勢いよくドアを開けた衝撃で、増毛が1本地に落ちる。

乾いた音を立てる抜け毛を見ながら、俺は限界を迎えた。


「うふふ、あははは、何これ、くぅおなか痛い。」

笑いすぎで涙が出てきた。


こうして、俺は、いじめを軽くスルーすることに成功した。


その後も、似たような事はあったが、百戦錬磨のバイヤー達の嫌がらせに比べれば、所詮は子供のいたずら。

爆笑をさそうレベルでしか無く、俺は平穏な小学校生活を終えた。



確か、このイベントは、坂田といういじめっこが、

気になっていた田上という女子にしかけたはずだった。

そして、謎の経緯を経て、彼らは付き合うことになるのだが・・・

俺はとんでもないこと(フラグブレイク)をしてしまったらしい。


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