第一回 唐突に行きましょう
バンッ
「なぜですか!ちゃんとやるって言ってるでしょ!」
「いやだからね…何回も言うけど、ダメなものはダメなんだよ」
「だ・か・ら、やるってば!ちゃんとやる」
桜が舞い落ちる春、新鮮な高校のある部屋に一つの会話が響いた。
なぜこんな事になったかは、数日前を遡る…
*
「ねぇ未雪、流川〜。入る部活決めた?」
「え?ちーちゃんいきなりどうしたの」
「んー。ちょっとさ」
桜小沼高等学校にある三人の会話が聞こえた。
「部活なんて決めてねぇよー。というか、まだ彼女も出来てねぇ」
「いや、あんたの私事情なんて知らんが…どうしようー、このままじゃ二年も何もしないで終わっちゃうよー」
「?なんだよいきなり、部活とか言っちゃって。」
「……一年は何も部活入らないで終わっちゃったしなー」
「無視をするな、無視を」
ちーちゃんこと、黒岩 千尋匹いる三人は今年、二年生になる。
去年高校生になった千尋達だが、特に部活に入る制度などはないので、どうしようなどと悩んでいる内に一年が過ぎ、結局帰宅部という形で終わってしまったのだ。
「よし、じゃあ部活に入ろう!」
「唐突だな」
「んー部活か…考えてなかったからな。特にないな…」
「でもそうだよな。言えって言われてもな…何か無駄にここ沢山あるし」
桜小沼高校の部活は高校の中でも多い方ではないかと思う。
文系部でも20種類あるのではないかと思う位だ。
「うーん、確かにね…。……おぉ!いいことを思いついたぞ」
「えー、何々?」
「部活を作ろう!」
「だから唐突だな」
部活を作るには生徒会に言えば大体は許可を出してくれる。
作るにも意外に簡単なのだ。
「と、いうわけで生徒会室に行く。」
「おい、お前は何なんだ」
「おぉ!ちーちゃん天才!」
というわけで冒頭に戻る