想う
それが強さだ。
想いは報われるために想うものじゃない
この胸のなかに たしかにその想いがあるのだから
それに嘘をつかないために
それを裏切らないために
ぼくは きちんと想うんだ
想いに正直に生きて馬鹿を見るのは
ぜんぜん綺麗なことじゃなくて
汗と泥にまみれた膝を
涙でぐしゃぐしゃの顔でにらみつけながら
よごれたシャツを また明日には
洗いたてでも しみの落ちない
くたびれはじめたシャツに着替えて
よれかけたその首もとをぐいっとひっぱりながら
「よしっ」てちいさく声に出す朝をむかえること
かみしめる癖のついたくちびるを
それでも 笑みのかたちにゆがめる強がりに
誇りと喜びをみつけるため
ほっぺをつっぱらせること
ひょっとしたら そんなおおげさでもなくて
ただ めのまえにある
ひたむきさや いっしょうけんめいに
逃げたくなっても 逃げずに立ち向かうこと
言うほど かんたんでもないけど
言うまでもなく 誰しもがやったことはあること
想わずには生きていけないのなら
想うことこそで生かされてる
そんな ぼくみたいなやつもいるんだよ
想いは報われるために想うものじゃない
この胸のなかに たしかにその想いがあるのだから
それに嘘をつかないために
それを裏切らないために
ぼくは きちんと想うんだ
そして
想いに正直に生きて馬鹿を見ることができたのなら
その想いじたいが報われなくても
想うことをつらぬいたぼくは きっと報われる
そうあれたらいいのですが、そうあろうと強い気持ちがない人間にはできないことでしょう。
私には無理。










