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無茶しやがって・・・
「無茶しやがって・・・」
そう漏らしたジャックはガバメントを片手にトラックを出ると、肩から上が消滅した巨人を見下ろすランスの横に立った。
「危ねぇじゃねぇか。」
ランスの脇腹を肘で突きながらジャックが抗議する。
「そう怒るな。危なくないように爆薬の量をちゃんと調整した。」
そう言ってランスは減らした爆薬を見せた。
「そういう問題じゃ・・・」
「おい、見ろ。」
何かを言いかけたジャックを制し、ランスは顎で巨人を指す。
頭部のない巨人は黒い塵となり、その場に崩れ去っていた。
「・・・終わったんですか?」
ヘリから降り立ったミツバが、ジャックの隣で口を開く。
「恐らくな・・・」
「じゃなきゃ困る。これ以上は無理だ。」
ランスは首を振った。
何も言わず三人が様子を窺う中、薄っすらと風が吹きパラパラと塵が崩れる。
そして、遠くから響くヘリのエンジン音。




