高火力な武器
「高火力な武器、持って来ました!」
白い煙の尾をなぞるように、ロケットポッドを機体側面に搭載した中型多目的ヘリ“Mi-17”が、スピーカーからミツバの声を大音量で流しながら飛び抜けていった。
ロケット弾の直撃を受けた巨人は動きを止め、仰け反るような形でダメージを受けているがまだ倒れない。
前方上空ではミツバの乗るヘリが、地上の灯りを反射させながら右旋回している。
「再度攻撃を仕掛けます。撃ち続けて!」
ミツバからの指示でジャックは巨人に、追い打ちをかけるようにさらなる射撃を加えた。
しかし、巨人は仰け反った上半身を起こし、再び歩を進めようと足を上げる。
「まだ倒れねぇのか!どんだけタフなんだ。」
ミツバの様子を確認したいが、そんな余裕など無いジャックの手に力が入る。
そして、あの飛翔音が再び響き先程よりも多量のロケット弾が夜空の下を飛び抜け、巨人に吸い込まれるように着弾した。
爆炎が周囲をオレンジに照らす。
巨人は後ろに吹き飛ばされ、仰向けに地面へ叩きつけられた。
ジャックはなおも倒れた巨人に銃弾を叩き込んでいる。
やがて弾は尽き機関銃は沈黙した。
巨人は倒れたままピクリとも動かない。
「はあ、はあ・・・どうだ、思い知ったか・・・」
機関銃にもたれ、肩で息をしながらジャックは吐き捨てた。
倒れた巨人の向こうに、着陸のためヘリがゆっくりと降下している。
「はぁー・・・」
それを見たジャックは安堵の息を吐き出した。




