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三日後
約束の三日後。ランスとミツバはクーラントに向けレンタカーを走らせていた。
「ジャック。いるといいですね。」
ハンドルを握るランスに、ミツバが話しかける。
「まあ、いるだろ。」
ランスは当然のことのように答えた。
「口じゃあんなヘタレで頑固なことを言ってたけど、仲間が戦地に行くのを指くわえて見送るようなやつじゃない。」
前を見据えながらランスは理由を付け加える。クーラントの入口はもうすぐだ。
「ほらな。」
そう言ってアクセルを緩めブレーキを踏んで車を止めるランス。約十メートル先にはクーラントの入口で、仁王立ちをして待ち構えるジャックがいた。