突撃
「よし、やるぞ。」
アルマエルからの銃撃が続く中、意気込むランスに頷くジャック。
ランスの手にはピンが抜けた状態の手榴弾が握られており、投擲のタイミングを窺っていた。
不意に銃撃が途切れる。
その瞬間、ランスはアルマエルがいるであろう方向へ、手に持っていた物を放り投げた。
炸裂音が響く。
「今だ!」
ランスの合図とともに二人は数歩の助走をつけ、ヘッドスライディングをする形で外へ飛び出した。
同時に始まる射撃。しかし、銃弾は匍匐前進に移行した二人の背中の上を飛んでいった。
そして、ランスは向かいの建物の柱、ジャックは通りの真ん中に設置された石の奇妙なオブジェの後と、各々が新たな遮蔽物に身を隠す。
「なんでピンピンしてやがんだ・・・あの化け物は・・・」
相変わらず二丁の機関銃を豪快にぶっ放すアルマエルに、石でできた四角い柱に背を預けるランスは悪態をついた。
「・・・!」
その時、アルマエルと対峙する二人の背後を取るように、通りの奥で展開するゲリラ達の姿がランスの目に映る。
「ジャック!囲まれてるぞ!ローブ野郎とさっさと決着をつけろ!」
そう叫ぶとランスはゲリラ達にAKMを発砲した。
「簡単に言うな!こっちが残弾が怪しい!」
嵐のような銃弾に、弾薬節約のため散発的に応射するジャックが吠える。
「だったら離脱準備だ!こっちも押し切られるのは時間の問題だ!」
射撃の合間にランスは新たな指示を出した。




