大立ち回り
ドアを開けたミツバは息を飲んだ。
目の前にオリーブドラブ色の戦闘服を着た男が立っている。無感情な顔、そしてその手にはAKM。
こいつは戦闘員だ。
「・・・っ!」
男が銃口を持ち上げようとしたのと同時に、ミツバは腰のコンバットナイフを抜き首を斬りつけた。
身体を横にずらすミツバ。首から噴き出した鮮血が真横に降り注ぎ、男は膝から崩れ落ちた。
そして、裏路地に出たミツバは進行方向に目を向ける。しかし、そこは工場内への突撃待機をしているゲリラ達が十数名、列を作り密集していた。
「やれやれ、あまり無茶はしたくないんですがねぇ・・・」
ミツバは口元に笑みを浮かべながら眼鏡を取り、HK417を吊っているスリングのバックルを外した。
落下するHK417、向けられる銃口。
ミツバは地面を蹴って先頭のゲリラに飛び掛かり、ナイフで喉を突くとそのまま押し倒し、ゲリラの倒れる勢いを利用してナイフを引き抜くと、先頭の巻き添えを食って倒れた人員を無視し、尚もこちらに銃口を向け続ける後続の四名に対しサイドアームのSIG P226を連続で発砲する。そして、息つく間もなく転倒状態から復帰しつつあるゲリラ達に対し、容赦なく斬撃と銃撃を浴びせた。
「意外とあっけなかったですね。」
ゲリラ達の亡骸を見下ろしながら呟くと、ミツバは眼鏡を掛けHK417を回収した。
「・・・!」
路地の外から甲高い起動音が響き、ゆっくりとした羽ばたき音も聞こえ始める。
「・・・あれに上がられるのは厄介ですね。」
そう言ってミツバは路地を飛び出していった。




