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フェンリル ~オペレーション マーゴン~  作者: みくた
オペレーション マーゴン
44/56

大立ち回り

 ドアを開けたミツバは息を飲んだ。

 目の前にオリーブドラブ色の戦闘服を着た男が立っている。無感情な顔、そしてその手にはAKM。

 こいつは戦闘員だ。

「・・・っ!」

 男が銃口を持ち上げようとしたのと同時に、ミツバは腰のコンバットナイフを抜き首を斬りつけた。

 身体を横にずらすミツバ。首から噴き出した鮮血が真横に降り注ぎ、男は膝から崩れ落ちた。

 そして、裏路地に出たミツバは進行方向に目を向ける。しかし、そこは工場内への突撃待機をしているゲリラ達が十数名、列を作り密集していた。

「やれやれ、あまり無茶はしたくないんですがねぇ・・・」

 ミツバは口元に笑みを浮かべながら眼鏡を取り、HK417を吊っているスリングのバックルを外した。

 落下するHK417、向けられる銃口。

 ミツバは地面を蹴って先頭のゲリラに飛び掛かり、ナイフで喉を突くとそのまま押し倒し、ゲリラの倒れる勢いを利用してナイフを引き抜くと、先頭の巻き添えを食って倒れた人員を無視し、尚もこちらに銃口を向け続ける後続の四名に対しサイドアームのSIG P226を連続で発砲する。そして、息つく間もなく転倒状態から復帰しつつあるゲリラ達に対し、容赦なく斬撃と銃撃を浴びせた。

「意外とあっけなかったですね。」

 ゲリラ達の亡骸を見下ろしながら呟くと、ミツバは眼鏡を掛けHK417を回収した。

「・・・!」

 路地の外から甲高い起動音が響き、ゆっくりとした羽ばたき音も聞こえ始める。

「・・・あれに上がられるのは厄介ですね。」

 そう言ってミツバは路地を飛び出していった。

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