黒い星
「それで貴方がたは何者ですか。」
こちらに銃口を向けるゲリラ達を背後に、ローブの男は微笑を浮かべた顔で聞く。
「ただのこそ泥です。どうか命だけはお助けください。」
ジャックとともに武装解除させられたランスが、迫真の演技で命乞いをする。
「安心なさい。私は無益な殺生は望みません。」
「ありがとうございます。今後はこそ泥稼業からは足を洗って真っ当に生きます。では、私はこの辺で・・・」
礼を言ったランスは誓いを立て、そそくさと出口に向かって足を踏み出した。
「待て。・・・それで、あんたはここで何を?」
ジャックはランスの肩を片手で掴み引き止めると、男に視線を向け聞く。
「私はアルマエル。この黒い星とともに世界を導く者です。」
男はそうな乗りながら球体に手をかざす。すると球体は鈍い緑色の光を内側から発し、ゆっくり点滅を始めた。
「何だそれは・・・?」
肩を掴まれた状態でジャックとともに、球体を凝視したままランスが口を開く。
「遺跡の地下より発見されたオーパーツです。」
アルマエルの発した地下より発見という単語に、二人の頭に地下で見た広い空間が過ぎる。
「始まりは私が何者でもなかった頃、偶然手にした古文書でした。」
懐かしむように語り出すアルマエル。
「そこにはこの遺跡がマーゴン族の手によって稼働していた頃のある夜に、森に落ちた不思議な流れ星について書かれていました。その流れ星に惹かれるものを感じた私は、それから様々な方法でマーゴン族について調べました。」
アルマエルは黒い星と呼ばれた球体に歩み寄りながら、物語のように淡々と言葉を繋いでいく。
「マーゴン族は流れ星の持つ不思議な力に取り憑かれ、それを取りあって衰退の一途をたどりその最後、わずかに残った者たちが流れ星を遺跡群の地下に封印し、一族は滅んだのです。」
語る言葉に目に見えて熱が入る。
「そこまで知った私はいても立ってもいられず、この地に足を運びましたが、その当時ここはならず者達の巣窟と化していました。」
ならず者とは元々ここに居た反政府ゲリラのことだろう。
「しかし、途方に暮れるのも束の間、ならず者達と戦う者達がすぐに現れました。」
その言葉にジャックとランスが「俺達のことだ。」と視線を交わす。
「そして、私は混乱に乗じ地下に眠っていた黒い星を手にし、星の力を持ってして戦いを生き残ったならず者達を私の下僕にしたのです。」
「おいおい、そのオシャレ系インテリアで催眠ってなんの冗談だよ・・・」
あまりに飛躍した話にランスは苦笑い浮かべた。
「貴方、口を慎みなさい。」
低い声で不快感を示すアルマエルに、ランスは肩をすくめる。
「お前の目的はなんだ?」
「人類全員を私の下僕にし、世界平和を実現します。」




