総合訓練 ~潜入~
「こちらファング、聞こえるか?潜入に成功した。」
三十分程でジャックからコードネームを使用した無線が入る。
「問題なく聞こえます。気をつけてください。」
ミツバは双眼鏡を覗きながら応答すると、念を押した。
「問題ない。そっちもいつでも動けるようにしとけよ。」
通信が終わる。拠点に目立った動きがないことから、ジャックは上手くやっているようだ。
少しして拠点から数発の銃声が響く。
「・・・!?」
双眼鏡を下ろした状態で監視活動をしていたミツバは、慌てて双眼鏡を構え拠点を覗く。
「おい、どうした!?」
仮眠に入っていたランスも飛び起きるが、銃声は激しさを増し爆発音も混じりだしていた。
「どうやらしくじったようです。」
ミツバが推測した答えを述べる。
「こちらファング、見つかった!だが、生物化学兵器はすべて無力化した!離脱する!」
「ビーストマン、了解。・・・ミツバ。」
捲し立てるような通信に返答したランスは、ミツバにアイコンタクトを送る。
「はい。・・・こちらレーベン、ピックアップを要請します。」
それを受けたミツバは無線で本部を呼び出し、ヘリの要請をした。
「了解した。三十分後にピックアップポイントにヘリを送る。」
「了解。ピックアップポイントへ前進します。」
「ファング、ビーストマンだ。ヘリは三十分後だ。乗り遅れるな。」
本部と交信するミツバを横目に、ランスはジャックに無線を中継する。
「了解!ピックアップポイントで会おう!」
そして、ジャックから銃声混じりの返信が来る。




