表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/72

Extra13 サフィルス宮殿メイドによる業務日誌。

 私たちはサフィルス宮殿メイドにございます。

 サフィルス宮殿の主人であるユーリス・モレット・ヴィーダ第二皇子殿下。そして殿下の婚約者であらせられますエリーシャ・フォレノワール様に誠心誠意お仕えしています。

 本日はそんな私共の業務日誌をお目に掛けようと思います。お見苦しい点が多々ございますが、何卒ご容赦くださいませ。



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


 花咲月さんがつ20日――本日、ユーリス様はサンルームでうたた寝。そこに通りがかったエリーシャ様、故郷の毛布を手にそっと近寄ってかけてあげる。初々しく愛らしいやりとりを目撃。<担当:ヴィノ>


「自カプの壁になりたい……それが実現できるメイドって天職よね」

「わかる」

「それな」

「でも、ユーエリちゃんもっとイチャコラしてほしいんですけど」

「私達がどうにかしてもっといい雰囲気にするしかないのかしら。でも単なる観測者でありたくもあるし、難しいわねえ」


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


 百繚月しがつ1日――本日は、エリーシャ様がユーリス様に「ユーリス様なんて大嫌いです」との発言。ショックを隠し切れないユーリス様が茫然としているあいだに、ととと、と近づいたエリーシャ様が服の裾を引っ張って見上げ――。

 なんて「嘘ですよ」と小悪魔的な微笑みを浮かべておりました。<担当:シア>


「最&高」

「無理」

「尊い……神に感謝。エリちゃん様いつのまにそんな技術テクを」

「爆発しちゃうわね、こんなの見せられたらね」


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼



 葉緑月ごがつ13日――ユーリス様、またもや体調不良。傍らには献身的にお世話をなさるエリーシャ様の姿が。お体の具合が優れないときは近くに他人を近寄らせないのに、エリーシャ様はやはり特別なのね。<担当:ミレイア>


「はあ……狼みたいよねユーリス様って」

「何でいきなり主人あるじをケダモノ扱いしているのよ」

「違……そういう意味じゃなくって! ヴィノ、あんたこそどうしてそう下品な方に持っていくわけ」

「まあまあ落ち着いてくださいよ先輩方」

「なによ、年下のくせに落ち着いちゃって」

「ぶっちゃけ推しカプ平和ならなんでもよくね?」

「「確かにー!」」

「しょうもないことで言い争っている場合ではないわね」

「休戦と行きましょう」



✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

 


 青薔月ろくがつ30日――ジェスタ殿下の結婚式が大聖堂にて行われました。エリーシャ様は青薔薇の花束をお持ち帰りになりました。どうやら、花嫁からのブーケトスで受け取ったようです。

 花束を抱いたエリーシャ様を眺めながら、ユーリス様は隣で満面の笑みを浮かべていらっしゃいました。<担当:シア>


「あー、花嫁のブーケトスって若干出来レース的なところあるものね」

「おそらくエリーシャ様は何もご存知でないに一票」

「私も一票」

「ええ私も一票投じますわ」

「ほら、花嫁の方も誰にお渡しになるか決めているし、受け取る側の方もさすがに空気読みますわよね。どなたが次の花嫁にふさわしいかと言ったら、それはもちろん……」

「エリーシャ様に決まってんじゃん⁉」

「はあ、楽しみですねえ。エリーシャ様はどんなドレスをお召しになるのかしら」

「私達も誠心誠意、エリーシャ様をお支えしなければなりませんわ!」

「よっし、これでユーエリちゃんを幸せにする会、ミーティング終わりっ。これからも頑張ろうね!」

「「「えいえい、おう!」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ