表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

ゴロゴロと並ぶ果物。美味しくなぁれ。(字足らずw)

 ……いや、そもそもそんなところが、一ノ瀬(いちのせ)さんの

 ダメなとこだよ? しっかりしていてそうで、

 実は適当なのが玉に(きず)……と瑠奈(るな)さんは

 思ったけれど口を閉じる。

 多分それ、言ってもダメなやつだ。一ノ瀬(いちのせ)さんは

 そーゆーところはホント疎いから。

 

 そもそも瑠奈(るな)さん達が、あんなに……

 あーんーなーにー自重し、我慢してたのに、当の

 一ノ瀬(いちのせ)さんは、林檎の香りで2人を呼んでいた

 つもりだったらしいんだから、分りにくいったらない。

 だから用心のために、紫子(ゆかりこ)さんたちは自宅の

 電話番号をちゃんと教えていたっていうのに、そんなの

 全く意味ないじゃないの。

 

「……」

 微妙な心境の瑠奈(るな)さんとは違い、紫子(ゆかりこ)さんは

 特に何とも思っていない。満面の笑顔でそれに応える。

「すっごくいい匂い。何を作っているの?」

「だろ? 今日はね、アップルパイ。

 実はさ、ちょっと人手が足らなくて、君たちにも

 手伝ってもらおうと思ってたんだ……」

 

 言って引っ張り出したのは、林檎に栗にミカンに

 それから洋梨!?

 

「うわ、凄くいい匂い……!」

「そうだろ? いい果物が手に入ったから、パイや

 ケーキを作ろうと思ったんだけど、さすがに

 量が多くて……」

 

 言ってる傍から、ホネホネの梨愛(りあ)さんが

 器用に包丁を持って、栗の皮を剥いていく。

 

「私はマロングラッセを作ってるんだけど、この

 量でしょ? さすがに今日のおやつのアップルパイ

 までは手が回らなくて……」

「俺は洋梨とミカンでフルーツタルトを作り

 たいんだ。カスタードクリームにしたいから

 誰にも手を出されたくなくって……」

 そして困った顔をする。


「アップルパイの中身は出来てるし、パイ生地も

 冷蔵庫で寝かせてる。……で、お願いなんだけど」

 

 そこでパァと紫子(ゆかりこ)さんが微笑んだ。

「作ります! アップルパイ!!」

 はいはーいと手を挙げるその姿は、まさに子ども。

「……」


 けれど瑠奈(るな)さんは、何故だか少しイヤーな予感が

 したのでした。

 

 

 挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ