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7-5

 さらに一週間後、待ちかねた結果がようやく届いた。質量ピークのグラフを載せたプリントアウトが十枚、中国製の人参クッキーと一緒に送られてきた。


 もう大がかりな装置は必要ない。前回取得したサンプルデータのコピーが手元にあるのだから。


 結果、「最後の暗号」五文字は以下の通り判明した。


 一文字目 クリード、グッチ      → ユ

 二文字目 ドルガバ、イヴサンローラン → キ

 三文字目 ドルガバ、ディオール    → オ

 四文字目 シャネル、グッチ      → タ

 五文字目 ブルガリ、イヴサンローラン → フ


 ユキオタフ。


 幸夫?タフ?ユキオは、あのゲームセンターの戸田幸夫だろうか。幸夫がどうしたというのか。唐突に現れたこの言葉を前に、私は机に収まり、しばらくの間沈黙した。


 意味がさっぱりわからない。「モリセ屋根」と解読した結果が正しいのは、「最後の暗号」の出現により明らかである。「ユキオタフ」の後に、「モリセ屋根」を見せる予定だった?いや、そんなはずはない。平太は「最後の暗号」に香水を使って、「ユキオタフ」と書いたのだ。平太、お前は一体何が言いたい?お前の大事な物をかっさらっていった奴は誰なんだ?


 ふと。


 記憶の中に、思い当たる出来事が埋もれているのを感じた。それは、高速で飛び去る鳥の翼が、一瞬脳の端をかすっていくような感覚であった。


 そうだ、あのときだ。


 平太よ、わかった。お前の真心ともいえる大事なものを盗んだ人物が。

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