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小話・髪の話

 

「ウェン。ちょっと聞きたいんだけど」

「んー?」

「そうやって通りすがりにあたしの髪に触れて、その……キス、していくのは、どうしてなんだい?」


 ウェンリーの手にはパトリシアのプラチナブロンドがひと房。


「どうしてと、きかれても……」


 手の中にあるのは、愛しい妻の髪。


「触りたいから?」

「なぜ疑問形?」

「無意識だから」

「へ? むいしき?」

「あぁ。つい、触ってしまう。綺麗だなと常に思っているせいかもしれないが」


 手の中にあるひと房を、口元に運ぶ。


 香しい妻の髪から、視線をその持ち主に移せば。

 耳まで赤く染めた愛妻が、なにやら叫び出しそうな顔をしていた。

 それが余りにも愛らしくて。


 ウェンリー・アレーグレ・デナーダ辺境伯は愛しい妻を抱き上げた。


 その妻、パトリシアは遠目にも解るほど長く輝くプラチナプロンドの髪がトレードマークであった。

 彼女が辺境の地に来た当初、髪を切ってみようと思うと夫に提案したら、鬼のように反対されて以降、彼女は自分の髪を大切にしている。



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