第6話 モンスター・オートメーション……神スキルの予感しかしない!
「モンスター・オートメーション? そんなスキル聞いたことないぞ」
「当たり前です! ゴーレムしか使役できないテイマーしか身につけることができない、特別なスキルなんですから。さあ、早く!」
訳が分からないが、考えても無駄なのは理解できた。
ポチっと『モンスター・オートメーション』と書かれたボタンを押す。
『モンスター・オートメーションのスキルをゲットしました』
無機質な女性の声が辺りに響いた。
「やりましたね! では、早速シナリオをセットしてみましょう!」
「シナリオをセット?」
「ええ、このスキルは【シナリオ策定】さえしておけば、自動的に発動するスキルなんですよ」
相変わらずチンプンカンプンだが、サンの言われたとおりに『シナリオをセット』と書かれたボタンを押した。
『シナリオ策定モードに入ります』
「今回は時間がないので、【テンプレートシナリオ】をセットしましょう!」
「てんぷれーと?」
「これを押してください!」
サンの人差し指の先には【テンプレートシナリオから選ぶ】と表示してある。
言われるがままに押してみる。
「次は【ピンチシナリオ】を押してください!」
「あ、ああ」
『ピンチシナリオがセットされました』
「次は【進化シナリオ】です!」
「これか?」
『進化シナリオがセットされました』
「うんっ! あとは【モンスタートーク】と【ステータスオープン】を身につけておいてくださいね!」
モンスタートークは使役しているモンスターと人間の言葉で会話が交わせるようになるテイマー独自のスキル。必要なスキルポイントは20000。
ステータスオープンはいつでもステータスを確認したり、スキルを身につけたりする画面を出せるようになるスキルらしい。こちらは5000。
サンに言われた通りに両方のスキルを身につけた。
……と、次の瞬間、再び無機質な声が聞こえてきたのである。
『ピンチシナリオの条件達成。スキルが自動的に発動します』
サンが淡い光に包まれ、徐々に薄くなっていく。
現実の世界でサンがモンスターにやられてしまったのではないかという嫌な予感がして、思わず叫んでしまった。
「サン!!」
しかしサンは落ち着いたまま。
軽く手を振りながら、にこやかに答えた。
「ピートさん。心配しないでください。私があなたを守りますから」
そう言い残して、彼女は消えた。
『進化シナリオの条件達成。ゴーレムAはストーンゴーレムからプラチナゴーレムに進化しました』
『ゴーレムBはストーンゴーレムからプラチナゴーレムに進化しました』
『ゴーレムCはストーンゴーレムからプラチナゴーレムに進化しました』
『ゴーレムDはストーンゴーレムからプラチナゴーレムに進化しました』
サンはストーンゴーレムだ。ということは彼女がプラチナゴーレムに進化したということか?
ゴーレムA、B、C、Dっていったい何なんだ?
頭の中を整理する間もなく、意識が急に遠のき、俺は現実の世界に引き戻された。
その直後、目に飛び込んできた光景は夢の続きを見ているのかと錯覚してしまうほど、驚きに満ちていた。
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