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第16話 ダンジョン攻略、ついに再開!

◇◇


 ついにレベルが100に到達した。

 あ、でも上限ではないのは知っている。

 Sランクの冒険者の中には300近いレベルの人もいるって聞いたことあるからな。

 でも10日前までは30で停滞していたのだから、かなりの進歩である。

 しかも、ついに、なんと、初めての魔法をゲットしたのだ!


「邪悪なる者に光の天罰を! ホーリーフレア!!」


 かっこいいネーミングの魔法だ。光属性で聖なる爆発で敵を攻撃するみたいだ。

 光属性に弱いガイコツのモンスター、地獄の門番が相手だから大ダメージは間違いないよな。

 ……が、しかし。


 ――ポンッ!


 風船が割れたような音とともに、小さな泡がはじけ飛んだ。


「ギャハハハ! 弱い! 弱すぎるぞ!!」

「見かけ倒しもいいところじゃねえか! ギャハハハ!」


 魔法を食らったモンスターたちに笑い飛ばされる始末……。

 当然、ダメージはほとんど与えていない。


「ぴ、ピートさん。ドンマイっ!」

「ご主人様! 魔法を唱える姿がかっこよかったです!」


 モンスターハウスに連れてきたサンとルナが懸命に励ましてくれる。

 けどこういう時って励まされると余計に悲しいものなんだな……。


「おい、弱っちいニンゲンよ! 魔法ってのはこうやるんだよ! アイスブレード!!」


 ガイコツのくせに魔法が使えるのか。

 しかもたいそう立派な氷の刃じゃないか。

 こういうのを期待してたんだけどなぁ。

 ホーリーフレアも使い続けていれば強くなるのだろうか……。


「ピートさん! 危ない!!」


 相変わらずサンは心配性だな。

 【魔法耐性Up(極大)】だし、こんなんじゃかすり傷一つつけられないのにな。


 ――バシィィッ!


 片手でアイスブレードを吹き飛ばした。


「なっ……!? お、おのれぇぇぇ!! ならこれはどうだ!! デス・ウィスパー!!」


 今度は即死魔法か。

 一応『精神魔法』の部類になるみたいだから、俺には効かない。

 

「い、いったいどうなってやがる……」

「くそっ! こうなったら一斉攻撃だ!! いくぞ!!」


 ガイコツたちがいっぺんに襲いかかってきた。


「ピートさん!!」


 だからそんな悲鳴を上げなくても大丈夫だって。

 

 ――ドンッ!!


 地面を軽く蹴っただけで一気にモンスターたちとの間合いをつめる。

 そうそう。

 レベル100になって大幅に素早さが上昇したのは意外だったな。


「なっ!?」


 驚きおののくガイコツのうち1体を拳ひとつで片づけた。

 ガイコツたちの顔から血の気が引いていく……って最初から血が通ってないか。

 とにかく膝がふるえ、腰砕けになった地獄の門番。


「ひぃぃ! ば、化け物だぁ!」

「だ、だから俺はこんな明るい場所は嫌だって言ったんだよ!」

「は、墓場に帰らせてくれぇ!」


 逃げ惑う相手を追いかけるのは趣味じゃない。

 ガイコツたちから離れたところで無機質な声が響いた。


『狩ったらはぎ取るシナリオの発動条件を満たしました』


 そろそろモンスターハウスで狩るのも飽きてきたな。なんだったら今ここにいる1000体以上のモンスターを一掃することも難なくできる自信だってある。

 よし、決めた。

 第54層の探索をしてみよう――。


◇◇


 翌日。

 MPも全快したし、ついに第54層に足を踏み入れる時がきた。

 留守番はなし。4体とも連れていくことにした。

 それからシナリオは1つだけセットしてある。

 発動条件は『もしテイマーのHPが半分以下になったら』で、発動内容は『テイマーを連れて第53層に戻る』だ。

 俺のHPが半分以下になるってことは、その相手が俺よりもレベルが高いってことだ。もしかしたら何らかの理由で、自力で戦闘から離脱できなくなっている可能性もある。

 だからこのシナリオをセットした。

 ピンチになったら自動的に全員で力を合わせて離脱できるってわけだ。

 名付けて【ピンチになったら即離脱シナリオ】である。

 これで準備は万全。


「よしっ! 出発だ!!」

「「「「おーっ!!」」」」


 俺たちは家を後にした。

 この先に待ち受ける意外な出会いなど知るはずもなく……。



 

お読みいただきありがとうございました!

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