表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/20

第2話『ご大層な目的』

ギャグあり、シリアスありの感じがいいよね。

とりあえず、此処までわかったことを並べてみよう。俺はクソみたいな会社のせいで疲労やらなんやらで死亡。その後、女神様と出会い、なんやかんやで転生した……。




と思ったら、ボンキュッボンの超スタイル抜群のチャンネーになってたと。で、性転換やらなんやらでなんか、頭がごちゃごちゃになってると思ったら、その…女神様が俺とは真逆のスレンダーな活発少女になって、更には俺のお世話係改め、監視係に上の神様に遣わされた…と。ま、大人な遊びはダメだもんね!!


…で、今、朝ご飯…をその女神メイドさんに作ってもらっているところ…だが…。


「…なにこれ。」


正直、その言葉に尽きる。てか、ホントになにこれ…。木のボウル?皿の中で、青紫のスライムみたいなやつが蠢いているんだが…?

人の食べるものじゃないんだが?

俺はメイドさんを睨む。メイドさんは苦笑いで俺から目を背けた…。


「…料理は…得意ではないのです…。」


「不得意のレベル超えてるでしょ…。これ…。」


…なんか魔界のエネルギーみたいなやつでも影響…とかしてないの?

『いぬのえさ』やら『ねこのえさ』とは違うんですよ?マヨラーやら糖尿病のアレ、食ってる方が…まだ…マシじゃあねえな。


てか、ほんと、なにこれ。

顔みたいなんでてきましたけど?ケラケラ、笑い出しましたけど?…怖え…。


「…とりあえず、俺が作るわ。」


「あっ…。別に捨てなくても…。」


…こんなゴミにそこまで傷心しなくても…。

なんか、内股でモジモジしてるし…。


とりあえず、俺は台所に立つことにする。炊飯器…はないから、飯盒炊爨か。

あれね?キャンプとか、家庭科の授業とかで使ったあのアルミのやつね。


後…冷蔵庫みたいなところにあるのは、味噌、煮干し、豆腐、油揚げ、榎茸、玉葱…結構あるな。じゃ、チャチャと作っちゃいますか。




























「…良い匂い。」


さて、対面に座る女神様にご飯と味噌汁を振る舞う。ってか、それを作れと言わんばかりに用意周到。女神様も御満悦な…あ、こっち見てそっぽ向いた。意外とツンツンしてるんだよなあ。


「あむ…ん!!美味しいっ!!…なんか、悔しいですね。」


「このぐらいは当たり前だ。」


一人暮らし歴、舐めんなよ。

…と、女神様、そんなに睨まんでも良いじゃねえか。


「しっかし…。」


…この屋敷、妙な場所だ。周りを見れば、右には何もない平原、左にはまるで森。奥まではわからないが、今のところ、人の手手付かずの場所と言っていただろう。


フロアは2階。俺の最初にいた恐らく、このカラダの部屋。下に降りて右手の廊下を真っ直ぐ行って突き当たり。そこが今いるキッチン兼食堂。


…なるほど。これだけでも相当な有権者に割り当てられた…と。まぁ、女神様と暮らすには上等な屋敷か。


「ん…当然ですよ。私、女神ですよ?」


そんな胸張らなくて良いの。しっかし…初めて会ったときのあのメロンは何処に?


「…変態。」


女神様のジト目、頂きました。

…てか、今の状況を説明して欲しいんですけど。女神様。


「…その前にそれ、やめません?女神様、転生者さんって言うの。」


「あ?…名前が必要ってことか?」


「そうですよ。…そうですね。私はリーファ…とでも良いですかね。髪の色も緑ですし。」


髪の毛クルクルして、言われても…。

名前か…。


髪の毛、緑でリーファ…なら、俺は紅だから…無難にスカーレット…とか?

…そんな睨まんでも。

なんか悪い?スカーレット。…じゃあ。


「…アイリス。」


「…『虹』ですか。貴女は色でしか考えられないんですか?」


…良いだろ。そんなジト目で対抗しなくても。俺、こういうの苦手なんだよ。リーファも相当だぞ?


「むっ。なんですかッ!!私も別に得意じゃないですし…。それで、転せ…アイリスさん。なにから教えましょうか。」


「…ん?そうねぇ…。」


…教えてくれると言うなら、ピンからキリまで聞かないとな。


「…ピンからキリまで…ですか。先ずは、アイリスさん…いえ、アイリス様の立場をお教えしましょう。」


「あん?立場?」


…珍しく、女神さ…リーファさんが真剣な顔をして、此方を見る。食事は既に空。空は恐ろしいほどの晴天。なにか、面倒ごとの可能性もあるが、仕方ない。


「この世界では、アイリス様は世界屈指の大魔法使い。七代魔王に最も近い存在と畏れられてます。」


「待て待て待て…。その…七代魔王…ってのは、なんだ?」


…リーファさんの目的も去ることながら、この世界、そして、七代魔王…俺と言う存在。一体、何がなにやら…。


「七代魔王はまだ情報が不確かなため、どれがどれとは言えません。ただ唯一。七代魔王の一人、〈傲慢〉ルシフェルのみ、死亡を確認しています。貴女にはこの世界の均衡を覆し、この世界を統一する。どのような形であろうとも。」


「…俺に魔王になれ…というのか。」


リーファの顔が少し暗くなる。

…魔王になるなどよくわからないが、俺は俺で楽にやらせてもらえる…ってことか。


「ええ。此処、元ルシフェル領で貴女様の名を広めていただき、七代魔王の一角、傲慢の座を確立し、他の魔王を攻略して、この世界…ジャングリラの唯一神の座を確立して欲しいんです。」


「…なにそれ。」


ご大層なお話だ。普通の会社員から神様になれとは…。ん?てことは、俺が今度の女神様…ってこと?女神アイリス…良いかも。


「ま、変態さんには無理ですけどね〜。」


「うぅ…うっさい!!」


…骨が折れそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ