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第一話 南方からの訪問者


※処女作です。


 コロナで暇すぎて小説書いていたわ。


 作者の科学の知識は高校生レベルなんで多少のガバはゆるして。




眩い光が目に飛び込んでくる‥どうやら転生に成功したようだ。転生された場所は人気の無い裏路地だ。そこから街が垣間見える。レンガ造りの壁が見える。どうやらここは日本ではないようだ。彼はうかつに路地から出ずに辺りを見渡した。


迅川祐也は神と名乗る少年に対し、不信感を持っていた。


確かにあの掲示板に書いてあった通りに、神は祐也の要望をあれよあれよのうちに叶えてくれた。だが、たった一つこの世界の情報だけは、教えたら面白くないという理由で何も教えられずに、いきなり放り出されてしまった。

それだけではない。叶えてもらった願いが、もしかしたら間違っているかもしれないからだ。

祐也は願いの一つとして現地で違和感のない服装と最低限の装備を願った。しかし彼が今着ている服はレンガ調の街並みに似合わない黒いローブであった。


しかしこのままここでジッとしていてもどうしよいもない。意を決して道に飛び出した。





そこには煌びやかな商店街であった。

祐也の目には八百屋、豚肉屋、ワイン蔵、雑貨店などが並び店員の活気のある声が聞こえてくる。


祐也は果物屋に立ち寄る。


「すいません。家族に土産を買っていきたいですが、店員さんのおすすめはなんですか?」


「南方からの旅人かい?長い船旅ご苦労様。ここでの名産はなんと言ってもオレンジだよ」


店主が指差したオレンジを横目に屋台を見る。そこには祐也の見慣れた果物たちが並べてあり、値段の書かれた名札がある。店主の傍にある籠には沢山の銅の硬貨と、銀の硬貨がちらほら入っていた。


「南方の人には珍しいかい?これらは全部この街の近くで作ったんだ。だが、あまり日持ちしないからもって帰るなら帰りにしてくれ」


「いえいえ、せっかく立ち寄ったのでこのオレンジ?を一つ下さい」


祐也は銀の硬貨を一枚差し出す。

「はいよ。毎度あり。オレンジは銅貨2枚だからお釣りの銅貨8枚。兄ちゃんこっちは初めてだろう。何か困ってないか?」


「えぇ実は。あまりここには始めてきたので、情報が集まっている場所を教えてくれませんか?」


「お安い御用だ。そこの道の突き当たりにギルドがある。そこなら色んな情報を得られるぜ」


「ありがとうございます」





祐也は買ったオレンジを腰のポーチに入れ、ほくそ笑んだ。

多くの情報を得られたと。

祐也の得られた情報は大きく分けて3つだ。


一つ目はこの場所の大まかな立地だ。

注目するべきことは"オレンジ"だ。店主はこのオレンジが近くで採れたと言った。オレンジは気候的にCS(地中海生気候)、つまり温暖で夏乾燥する場所でよく作られる。もう一つ店主は祐也に対して"船旅ご苦労様"と言った。つまりここは港町で海を超えた先にローブを着るような文化のある場所があるということがわかった。


2つ目は祐也の常識がこの世界にも適用しているという事だ。

祐也は店員たちの活気ある声が日本語だと言うことに気づき、果実屋の店主に話しかけた。さらに銀の硬貨を払ったとき、当たり前のように銅貨8枚を渡してきた。

このことから言語は通じるし、十進法や東西南北も当たり前のように使っていることから、祐也が持っている常識が通用するということがわかった。


3つ目はこれらのことが分かるからこそ、どうしても祐也には解決できない矛盾が生じた。

祐也はあまり建築物には疎いが、気候の事とレンガ造りの街並み、店員たちの顔立ちからここが少なくとも日本ではないと思っていた。

だが、何故か彼らは日本語を喋っているのだ。この違和感がどうしても拭えない。試しに英語でも話してみるか?日本語よりずっとグローバルな言語だから通じるかもしれない。

いや、やめておこう。ここでリスクを負う必要はない。


祐也はこれらのことを考えながら店主に教えられたギルドに向かっていった。





祐也が5分ほど歩いていると正面に一際大きい建物が見える。これが店主の言っていたギルドだろう。祐也はギルドの扉を開けて中に入る。

室内は大きなガラスのお陰か太陽の光が入りやすくてとても明るい。

掲示板らしき所には街の老人の集まりの案内からモンスターらしきものの討伐依頼、盗賊団の注意喚起など様々な依頼が張り出されている。

ギルドの内にはいかにも冒険者風の者たちの他にも、老人や自分の様な余所者も沢山いた。

どうやらここは所謂ゲームとかでよく見る依頼を受けて報酬を貰う施設でもあり、市民の集う市役所の様な施設も兼ねているようだ。


祐也は正面のカウンターに行き、ギルドの職員に話しかける。

「すいません、依頼を受けたいんですが」


「ギルドを使うのは初めてですか?それならば登録をお願いします」


職員は祐也に紙を手渡した。祐也が目を通した所、ギルドというものは海を超えた南部以外に発達している役所のようだ。ギルドに登録をした人間ならばどこのギルド自由に依頼を受けることが出来るらしい。


祐也が資料をじっくりと見ていると、奥の方から大きな音がした。

「なにかあったんですか?」


「あぁギルドの訓練所からですね。どうやらさっきの新人さんがやらかしたみたいですね。彼、あの"ニホン"から来たらしいですよ。それでギルドの人は大慌て、急遽見張りを増やして訓練を行なっているんです」


「日本から‥それは大変だ」


危ない、祐也は思わず冷や汗をかいた。この世界に自分以外の日本人(おそらくは自分と同じ転生者)が存在し、尚且つあまりよく思われていないようだ。


祐也が話し終わった直後、けたたましい音を立てながら奥の壁が崩れる。音源には黒髪の青年が立っていた。壁を破壊しておきながらその顔は反省しておらず、寧ろ壁を壊したことを誇っている。

「これだからニホンジンは‥」


「職員さん、今日は忙しいようですからまた後日来ます。ありがとうございました」


「いえいえこちらこそ、此方の不手際なのに申し訳ございません」




祐也はギルドの掲示板を一瞥してから外へ出ていった。

祐也は問題が増えたことに思わず頭を抱えた。

祐也自身、自分以外の転生者がいることに何ら疑問を持っていなかった。自分はネットの掲示板の通りにして転生したんだ。他の転生者がいるのは当たり前だ。

だが問題はその扱いだ。先程の青年は、壁を壊す前から日本人ということでかなり警戒されていた。ここでいう日本人とは転生者のことだろう。どうやらこの世界では転生者は厄介者のようだ。

つまりいくら現地の服を着ている自分でも怪しい動きをしたら、転生者と怪しまれる。


早急に自分の能力を把握する必要がある。祐也は街の外に飛び出した。ギルドで見た掲示板によるとここには小型の獣がいるらしい。



祐也はその情報を頼りに付近を探した。


獣は直ぐに現れた。その見た目は魔物というよりは野犬に近い。祐也は素早く腰のポーチから試験管を取り出し、獣に投擲する。

獣に内容物がかかると、獣は地面をのたうち回る。


祐也が投げたのは硫酸だ。祐也は神からこの世界で生きる為の最低限の物と、自分の"能力"に関する物を貰った。

硫酸はあくまでも祐也の能力を効率よく使う為に神から貰ったものだ。


祐也は獣をジッと見る。すると見る見る硫酸と獣の肌が反応して脱水し、獣は絶命する。

ただの硫酸をかけただけではこれ程早く反応を起こさない。



これが祐也の能力 "万能触媒"である。



触媒とは、化学反応を促進させる物質のことを指す。

祐也は自らが見たものの化学反応を促進させ、瞬く間に反応を終了させる能力を身に着けた。

化学反応といわれるとなにか特別なものに感じるが日常でも化学反応は起きている。

十年や二十年の時を経て、鉄は酸化して錆となりなまくらになってしまう。


だが裕也の能力を使えば瞬く間に酸化させその原型がなくなるまでボロボロにすることができる。



祐也は確信する。やはりこの能力はどんな能力よりも応用が効いて最強だと。そしてこの能力で次こそは成し遂げるのだと。

いきなり化学大好き兄貴姉貴に怒られそうな件について。



作中に出てきた触媒についての説明をします。

まず触媒の正しいイメージについて話します。触媒を使うとはハードルを下げる行為だと思ってください。


分かりやすい例を挙げます。20人が受けるテストの合格点を50点にしました。50点ではクラスの半数が不合格だったので合格点を30点にしました。するとほとんどの人が合格しました。


触媒とはこの例でいう合格点を下げる役割のものです。触媒とは通常時より多くの物質を反応できるようにするものです。


主人公の能力はその完全上位互換という認識でいいです。



化学大好き兄貴姉貴には・・・

この万能触媒は反応時間をlim{X→0}Xにして、尚且つ反応物の生成効率はゆっくりやった時と同じ。

それに加えて王水並みにやばいやつって認識でオッケーです。


化学の勉強してるときに思い付いた無茶苦茶設定だからガバガバです。ゴメンね。

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