契約未満 プロローグ
こんにちはこんばんは!初めての方ははじめまして、お久しぶりの方はお久しぶりです!いやー……ゴールデンウィーク終わりますね!投稿のタイミングをうかがっていたら、最終日になってしまいました!(笑)
さて、今回の投稿日は予定として月曜日と木曜日を考えています。予備日としては土曜日、もしかすると火曜日も投稿するかもしれません。まぁ、そこは執筆速度によります。はい。
さて、長らくお待たせ(?)致しました。拙い物語ではありますが、少しでも楽しんでもらえたら幸いです。では『神様遊戯~光闇の儀~』、開演です!
ガキンッ!ガッ!キィン!
刃音。土煙。流血。怒号。雄叫び。そして、正義と悪。それら全てが、いやそれ以上がこの場で木霊し反響し、共鳴する。刃物で切りつけるかの如く相手を傷つけて行く。まるで、そう、多くの感情をそこらかしこから詰め込んだ箱のようだ。さしずめそれは狂気の箱、パンドラの箱とでも云うのだろうか。そんな事でも考えていないと、この内なる狂気を押さえられそうになかったのだ。
何人も何人も倒れ逝く中、また新たな人物が倒れ込んだ。その人物が倒れ込んだ瞬間、今まで流した血が自分の中に流れ込んで、逆流したかのように熱かった。視界が一瞬歪んだ。耳元で遠くの声が聞こえた気がした。倒れ込んだ人物に近寄り、抱き起こした。鼓膜が破れてしまったかのようだ。自分が何か叫んでいるにも関わらず、その声さえも聞こえない。何かを叫んでいる。その原因はこの、刃物と刃物が交差する音が響く戦場だからか、それとも自分にはもう聞く気がないのか。多分、どちらもだった。抱き起こした人物の腹からはおびただしいほどの鮮血が溢れ出、意識が朦朧としているのか瞳は焦点が合っていなかった。助からない。そう一瞬にして思ってしまったのは、こんな戦場に長く居すぎたからだろうか。もうそれさえ分からない……いや、覚えていない。
「……っ。駄目だ、もうこの方は……」
「!?なんとかならないのか!?」
「なってたら、なってたらこんなものなんか必要ないっ!!」
怒り。悲しみ。無力感。哀れみ。絶望。目の前で繰り広げられるその感情。告げられた言葉に人物の命が短い事を悟る。ガンッ!と地面に叩きつけられた武器は怒りと悲しみが複雑に絡まった声の主を慰めることなく、無力を象徴するかのように転がった。自分をどうにかして救おうとする彼らに何かを言おうと人物はしているようだが、声はもう出なかった。言葉を忘れてしまったかのようにパクパクと口が動くだけで。既に伝えたいことは伝えたと言わんばかりで。嗚呼、分かってる。分かっているのに。
「動かないで。キズに触ります」
「……どうするんだい」
「どうもこうも……限界です」
その言葉に覚悟が出来たのはどちらだっただろうか。人物はにっこりと儚げに、自分の運命を受け入れたと言わんばかりに微笑んで、頬に伸ばされていた手に頬擦りした。嗚呼、もうこの手に、温もりを感じる事も出来ないのか。だったら、だったらまだ、知らない方が良かった!なんて、そう思ってしまうのは、心の何処かでまた出会えると思っているからだろうか。腕の中で人物の血の気はドンドンなくなって行き、既に青白くなっていた。既に運命を受け入れたようで、人物はピクリとも動かない。もう、死んでしまったのは言うまでもなかった。いや、まだ生きている。いやでもそう思わなければ、この狂気が目覚めそうだった。あの感情が、意思も持たずに暴れ出しそうだった。
「……せめて、召喚の輪から主を外そう」
「ええ。こちらの独断を主は許さないでしょうが、これが自分達の願いですから」
「……嗚呼」
冷たくなった人物の額に優しく口付けを落とす。愛しい、尊敬すべき人物は、もういない。ポロリと頬を伝った涙が人物の、もう開くことがない瞳の上に落ちる。許されなくても良い。恨まれても良い。ただ、また会えれば、自分達はそれで……!多くを、望まない。
「……愛して、いたよ……みんな……だから、だから……さようなら」
また、出会えれば。なんて。後悔かな。
戦場に人物の死を嘆くかの如く、様々な感情が渦巻いていた。
今回も(?)後書きには一言ほど書いて行こうと思っています!とりあえず初日なので、本日はもう一つ投稿します!